チョコザップはなぜ伸びた? “3年で1800店”の裏にある仕組みの力:ササる“数字”のつくり方(4/5 ページ)
無人ジム「チョコザップ」が全国1800店舗に拡大した。マシン故障などの課題に直面しながらも、どのようにして店舗数を増やしてきたのか。
チョコザップの業績
ただ、運営側はこの数字を「ポジティブな上昇」ととらえている。執行役員の村橋和樹さんは「これまで『言っても無駄』と感じていた人たちが、QRコードを使って報告するようになり、潜在的な不具合が見えるようになった」と説明する。
その後、社員の現場派遣や在宅勤務者の協力もあり、直近の故障率は2%弱にまで改善した。ただ、QRコードの導入ですべての問題が解決したわけではない。このシステムの存在がまだ認知されていなかったり、シールがはがれていたりするケースもあり、改善の余地はまだ残されている。
チョコザップは店舗数を急速に増やしてきたが、その裏ではマシンの故障対応に追われる日々が続いていた。これまでの流れを追ってきたが、肝心の業績はどうなっているのか。
一般的なフィットネスジムを見ると、月額1万円前後のところが多い。しかし、チョコザップは月額3278円である。ということは「薄利多売のビジネスだろう」と想像されたかもしれないが、実は少し違う。
店舗数の拡大によって、マシンや備品の出店コストを3割ほど削減している。事業のコストを見ると、家賃が17%、広告宣伝費が12%、その他が40%。結果、営業利益率は31.0%(※)を確保している。
(※)2024年3月末時点で出店後6カ月が経過した店舗を対象に算出
エニタイムフィットネスを運営するFast Fitness Japanの営業利益率が18.5%、カーブスを展開するカーブスホールディングスが同15.4%であることを考えれば、31.0%の数字がいかに高水準かが分かる。
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