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AIが「正解」を教えてくれるのに あえてチームメンバーの「関係性」に着目すべき理由(5/5 ページ)
皆さんは「チームでの会議が、イマイチうまく進まない」と悩んだことはないでしょうか。関係性を良い方向に育み、チームのパフォーマンスを高める手法として、昨今注目が高まっている「システムコーチング」という考え方と、それがチームの関係性やパフォーマンス向上にどのように貢献するのかをご紹介します。
AI時代に求められる力
AIが膨大な情報や選択肢を提示し、「正解のようなもの」が瞬時に生成される現代では、「すぐに着地(解決)しない思考」が苦手になり、分かりやすい答えに飛びつきがちになるというリスクもあります。しかし、この「すぐに着地しない思考」こそが、真に新しい問いや価値を生み出す土壌となるのです。
AI時代に求められるのは、むしろ「AIの誘惑を断ち切る力」。チームとして最適な解を見いだし、新たな価値を生み出すためには、メンバー間の質の高い対話、相互理解、そして強い信頼関係が不可欠です。
システムコーチングとも深く関連する概念に「ネガティブ・ケイパビリティ」というものがあります。これは「複雑なものを複雑なままに、分からないことを分からないままに、痛みを痛みとして、判断を保留して抱え持つ力」のことです。システムコーチングでは、まさにチームが「分からない」状況に直面した際に、安易な解決策に飛びつくのではなく、その「分からなさ」を共に探究し、乗り越えるエッジを支援するアプローチといえるでしょう。
- チームを一つの「システム」として捉え、その「関係性」に焦点を当てること
- コミュニケーションにおける「3つの現実レベル」を意識し、すれ違いを防ぐこと
- 成長の過程で現れる「エッジ」を認識し、それを乗り越える勇気を持つこと
AI時代において、私たちの創造性や協働の質が問われる中で、普段のチーム活動において、少し立ち止まって自分たちの「関係性」について考えてみるきっかけになれば幸いです。
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