「ジャングリア沖縄」はなぜ叩かれるのか? 大自然と人工恐竜の没入感ギャップ:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
7月25日にオープンしたばかりの「ジャングリア沖縄」が、ネット上で叩かれている。なぜ厳しい意見が飛び交っているのか、その理由は……。
室内型の恐竜アトラクションがタイにオープン
先ほども申し上げたように、本当に「精密な恐竜ロボット」を用いて「没入体験」をさせようと思ったら「屋外」では難しい。実際に世界の恐竜アトラクションは室内型が一般的だ。
その代表が、8月8日にタイのバンコクにオープンする「ジェラシックワールド:ザ・エクスペリエンス」である。
チャオプラヤー川沿いの巨大商業施設「アジアティーク・ザ・リバーフロント・デスティネーション」内に、約6000平方メートルの敷地でつくられたこのアトラクションでは、人気映画シリーズ『ジェラシックワールド』のシーンのような没入体験ができる。現地では観光振興の起爆剤として盛り上がっている。
「えっ、いいじゃん! ジャングリア沖縄も経営が軌道に乗ったらこういうのやってよ」と思うかもしれないが、それは難しい。というか、不可能だ。もともとこの場所はゴルフ場跡地を活用したもので、かつてUSJが進出を表明したが、すぐに撤回した経緯がある。
撤回理由についてはさまざまな理由が報じられたが、実際のところは「自然保護」という大きなハードルがあったからだといわれている。
ジャングリア沖縄のある地域は、同県の中でも特に豊かな自然が残っており、2021年7月26日には世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」として登録されている。そこに大阪にあるような大規模で人工的なテーマパークを開発する、なんてことを言い出せば、沖縄県、地元政治家、市民団体、さらには地域住民から猛反発が起きるのは必至だ。
こうしたステークホルダーとの協議を重ねた結果、たどり着いたのが「自然と共生する持続可能なテーマパーク」である。それが、ジャングリア沖縄だ。
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