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「ジャングリア沖縄」はなぜ叩かれるのか? 大自然と人工恐竜の没入感ギャップスピン経済の歩き方(7/7 ページ)

7月25日にオープンしたばかりの「ジャングリア沖縄」が、ネット上で叩かれている。なぜ厳しい意見が飛び交っているのか、その理由は……。

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「ジャングリア沖縄」にあるもの

 モデルになるのは、メキシコのカンクンにある「シカレ海洋公園」だ。

 ここは海に面していることもあってシュノーケリングなどのマリンアクティビティーがたくさんできるほか、園内にはフラミンゴやオウムなどの動物もいるし、夜はマヤ文明から続く伝統舞踏のショーなどもある。

 ジャングリア沖縄には海はないが、広大な森がある。そして車から20分ほどのところにある世界遺産「今帰仁城跡」のように、歴史も伝統もある。

 サバイバル体験ができるネイチャーツアー、やんばるの森に生息する動物や虫の観察、さらに、古代の琉球文化を表現したショーなどを企画することも可能だ。

 「そんなの地味だよ」と思うかもしれないが、先ほど紹介したように恐竜ロボットなども今やどこにでもある。リアルな没入体験をしたければ、USJやタイの施設に軍配が上がる。また、ハーネスを装着して高い木の上を歩くアトラクションやジップラインも珍しくない。


木の上を歩くアトラクション(出典:ジャパンエンターテイメントのプレスリリース、以下同)

 しかし、「やんばるの森」という自然と、沖縄北部の歴史文化を体験できるテーマパークはここにしかない。現在、ジャングリア沖縄では国内客と海外客の入場料を分ける「二重価格」を設定しているが、アジア圏や日本国内の他地域にもあるようなテーマパークに、わざわざ出向く理由があるのかという課題も残る。


「ジャングリア沖縄」

 いろいろ厳しいことを言わせていただいたが、それもジャングリア沖縄にはなんとか頑張って成功していただきたいという気持ちからだ。

 2000年に「沖縄エキスポランド」が閉園してから、沖縄にはテーマパークがない。「自然と共生」というハードルの高さをどうにか乗り越えて、沖縄経済の起爆剤になっていただきたい。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受


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