転売ヤーに奪われる「ハッピーセット」問題 マクドナルドはどう解決すべきか:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
限定ポケモンカードの配布により炎上しているマクドナルドのハッピーセット。転売ヤーだけでなく同社にも批判が集まっているが、そもそもどのような対応を取るべきだったのか。ハッピーセットのおもちゃに込めた本来の目的を考えると……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
マクドナルドの「ハッピーセット」の販売方法を巡って同社に批判が殺到、ついには公式Webサイトに「謝罪文」を掲載するまで追い込まれてしまった。
原因については既に多くのメディアで取り上げられているのでご存じの方も多いだろうが、なぜここまでマクドナルドがボロカスに叩かれているのかというと、ハッピーセットなのに多くの人々を「不幸」にしてしまったからだ。
まず、ハッピーセットのメインターゲットである子どもたちを不幸にした。
8月8〜11日に発売されたハッピーセットに愛好家の間で価値が高騰している「ポケモンカード」が付いていたことで購入者が殺到し、多くの店舗が早期に配布を終了した。転売ヤーや大人たちの「買い占め」を前に、ポケモン好きの子どもたちはなす術(すべ)がなかった。
Webメディア『ENCOUNT』の記事によると、ある店舗では4〜5人の外国人らが25個もハッピーセットを大量注文し、食べ物を全て店内に放置。景品のカードとおもちゃのみを持ち帰る様子を、楽しみに並んで待っていた小学生たちが悔しそうに見ていたという。
この「子どもが買えないハッピーセット」問題は、今回が初めてではない。これまでも「星のカービィ」「ちいかわ」「Minecraft(マインクラフト)」などのコラボセットがあっという間に売り切れた。SNSではこれらのおもちゃを大量に買い占めた「大人」の姿が投稿され、「転売ヤーを取り締まれ!」「外国人を追い出せ」という憎悪の声が強まっていた。
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