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ローソンの「2500〜3000円」車中泊、結果は? (2/4 ページ)

ローソンは千葉県7店舗で車中泊施設「RVパーク」の実証実験を開始した。24時間営業の強みを生かし、家族連れやペット連れの利用が好調。今後、問題点を確認しながら、新しいビジネスモデルとして成長させていく。

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「車中泊」ニーズの拡大と社会課題の解決狙う

 ローソンが車中泊サービスに参入した背景には、市場の拡大がある。全国の「RVパーク」(車中泊スペース)の数は、2024年12月時点でで500カ所(日本RV協会調べ)を超え、その多くは道の駅や日帰り温泉、飲食店などの駐車場の一角にある。ユーザーは寝床を確保でき、スペースを提供する事業者は施設の利用促進につながるなど、双方にメリットがある。

 また、「車泊サービス」を展開するトラストパークによると、利用者がコロナ禍前の12倍(1071件→1万3234件)に増加しているという。

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車中泊の利用者が増えている(画像はトラストパークの調査データより引用)

 車中泊ニーズの高まりは、インバウンド需要による宿泊費の高騰も関係している。日本総研が6月に発表した調査結果では、宿泊費はコロナ禍前の1.3倍近い水準となっている。

 加えて、ペットと一緒に過ごしたい、小さな子ども連れだとホテルに泊まりづらいといった旅行ニーズの多様化もある。実際に、ローソンのRVパークの利用者を見ると、ペット連れや家族での利用が目立つ。

 利用者からは「子どもが泣いても気を使わなくていい」「犬と一緒に宿泊できるホテルが少ないので車中泊を選んだ」といった声が寄せられている。

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利用者は店舗から「利用許可証」を受け取る

 全国に展開するローソンは、駐車場を備えた店舗が多い。夕方から朝にかけて、利用客が少ない時間帯に空きスペースを活用できることから、同社にとっても参入する意義は大きい。利用者が店舗で買い物もすれば、売り上げ機会の創出につながる。

 さらに、車中泊サービスの運営をグローリーが担当することで、ローソン側の負担は最小限に抑えた。「人手不足の中で新しいことを始めるにはオペレーションが重要。店舗の負荷が少ない形で進めることを重視した」と戸津氏は語る。

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