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マッサージチェア「あんま王」が好調 民事再生から10年で売上10倍に成長した背景2万台を突破(2/4 ページ)

日本メディックが開発する業務用マッサージチェア「あんま王」シリーズが好調だ。2011年に民事再生法の適用を受けたが、その後、どのようにして業績を回復させたのか。社長にヒットの理由を聞いた。

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10年で約10倍に成長

 民事再生法の適用を受けた翌年の2012年、日本メディックは初代「あんま王」を発売。あんま王というネーミングは、「覚えてもらいやすいように」と付けたものだ。「マッサージチェアは横文字の名称が多く、なかなか覚えてもらえないという印象を持っていた。販売代理店からメーカーへ転身したことで自社でネーミングもできるようになったことから、この名称とした」

 発売以降、コロナ禍があったものの、売り上げは堅調に推移している。業務用のマッサージチェアは毎年買い替える製品ではないが、「あんま王」シリーズでは、「あんま王2」から最新機種の「あんま王4」への買い替えと、新規施設への導入が同じ時期に重なった。これにより、2023年の売上高は前年比1.7倍となり、過去最高を記録した。


「あんま王」シリーズの歴代ラインアップ。「あんま王3」についてはコンパクトな廉価版という位置付けのため、「あんま王2」の後継機種としては「あんま王4」になる

「あんま王」シリーズの売り上げ推移

 2021年のコロナ禍では、温浴施設や商業施設の営業が一時的に停止したため、入れ替え需要は落ち着いた。その一方、コインランドリーなどでは導入が進み、落ち込みをある程度回避できたという。その後、温浴施設の再開による入れ替えニーズの回復や市場の拡大もあり、売り上げは伸びる結果となった。


「あんま王」シリーズの導入先推移

 2012年の発売当初は、導入先の約77%が温浴施設だった。しかし現在は、導入数自体は減っていないものの、温浴施設の割合は低下している。その代わりに、フィットネスクラブやネットカフェ、商業施設、コインランドリーなどでの導入が増えている。

 さらに、新幹線の待合室や映画館、カーディーラー店の一角などでも設置が進んでいる。個人購入も、これまで1%未満だったが、現在は6〜7%にまで伸びているという。

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