マッサージチェア「あんま王」が好調 民事再生から10年で売上10倍に成長した背景:2万台を突破(4/4 ページ)
日本メディックが開発する業務用マッサージチェア「あんま王」シリーズが好調だ。2011年に民事再生法の適用を受けたが、その後、どのようにして業績を回復させたのか。社長にヒットの理由を聞いた。
「あんま王」シリーズ好調の理由
民事再生から10年で売り上げ約10倍に成長した「あんま王」シリーズだが、好調の理由は何だろうか。
城田社長は、(1)家庭用マッサージチェアとは異なる業務用に特化した機能の搭載、(2)故障時の修理スピードなどのサービス面、(3)最大36回の分割払い対応、(4)白いカラーの採用――の4点を挙げた。
(1)〜(3)については、同社のこれまでの知見と、民事再生法の適用を受けた経験によって実現したものだ。(4)については、これまで汚れが目立つことを懸念して避けていた白色を採用したことで、想定以上に多くの施設で白い機種が選ばれているという。実際には「懸念していたほど黒ずむなどの汚れもなく、現在では7〜8割の施設が白を選んでいる」
今秋に発売を予定している新モデル「あんま王5」については、シリーズ初のキャッシュレス決済に対応するほか、リモコン画面を最新デザインに刷新。外観も刷新し、素材は合皮から樹脂に変更する。
キャッシュレス決済は、標準機能として備える。利用する施設向けには、発売後に追加オプションとして月額の料金プランを提供する予定だ。さらに、遠隔地から各マッサージチェアの売り上げが確認できる管理機能の追加も計画している。
海外進出の可能性については、家庭向け市場が主流の国については家庭向けの商品を検討。業務用が広がる国については、現地での決済ニーズに対応する必要があるため、慎重に検討していきたいとしている。
あんま王5および国内外における業務用マッサージチェアの市場は今後どのように変わっていくのか。引き続き注目したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
360度くるくる回せる「焼き鳥器」が人気 開発のきっかけは、行きつけ店の閉店
ガードナーが開発した、煙が出ない串焼き器「YAKITORiLL(ヤキトリル)」が「Makuake」で話題となっている。開発のきっかけや狙いを、開発者の椿拓巳さんに聞いた。
ドリップもサイフォンも、これ1台で実現 タイガー「毎日飲みたくなるコーヒー」開発の舞台裏
コーヒーの淹れ方には「透過式」と「浸漬式」があるが、1台で両方を可能にしたコーヒーメーカーが登場した。タイガー魔法瓶の「HYBRID BREW」だ。担当者に開発の舞台裏を聞いた。

