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「AIに代替されないスキル」を持つエンジニアを見抜く方法は? 必ず聞くべき「6つの質問」(2/3 ページ)

生成AIの台頭は、エンジニアリングの現場にとどまらず、エンジニアの採用領域にも影響を及ぼしています。本稿では、企業と求職者の双方の視点から、生成AI時代におけるエンジニア採用について考察していきます。

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「人材のスキル」をどう見極めるか

 生成AI台頭による、エンジニアに求められるスキルの変化は、企業の採用基準にも明確に表れ始めています。従来は、「対応可能なプログラミング言語」や「経験年数」といった定量的な基準で要件を定める企業も多く見られましたが、生成AIの活用によってプログラミング作業の工数が軽減されつつある現在、採用基準そのものを見直す動きが広がっています。

jinzai
提供:ゲッティイメージズ

 中でも象徴的なのが、「一人のエンジニアに求められる役割の広がり」です。生成AIによって定型業務の一部が効率化されたことで、業務設計から要件定義、開発、検証までを少人数で担う体制への移行が進みつつあります。今、企業は「多能工型の素養」や「変化への適応力」を持つ人材を重視するようになっています。しかし、こうした資質はスキルシートや職務経歴書からは把握しづらいため、実際の採用現場では「面接での深掘り」によって見極める工夫が求められています。

 企業によって重視する観点は異なりますが、以下は実際に活用されている質問例です。いずれもAIには再現しづらい「人ならではの力」を見極めるために活用されています。

(1)自己認識力・対人スキルの確認:「周囲から受けた印象的なフィードバックは?」など、チーム内での立ち位置や自己理解の深さを問う。

(2)技術への好奇心とアップデート力の確認:「最近触って面白かった技術や論文は?」といった問いを通じて、継続的学習の姿勢や情報感度を測る。

(3)構造化思考・問題解決力の確認:「これまでに解決した最も大きな技術課題と、そのアプローチは?」といった質問で、課題解決のプロセスを掘り下げる。

(4)AI活用経験の具体化:CopilotやChatGPT、Cursorなどのツールを業務にどう組み込んだか、どのように成果に結び付けたかといった「実務レベルでのAI運用力」を確認する。

(5)チームでの立ち回りの深掘り:「どのような曖昧な状況に直面し、誰と、どのように乗り越えたか」といった、対人関係や意思決定での立ち回りを深掘る。

(6)不確実性への対応スタンスを見る質問:「顧客要望が定まらないとき、どのように方針を定めていくか」といった問いを通じて、構造化思考や柔軟な情報処理力を評価する。

 上記の質問例からも分かるように、採用における評価基準は、技術スキルや経歴の有無から、「どのように考え、判断し、人と関わるか」といったプロセス重視へと大きく変わりつつあります。AIには再現しづらい、思考・対話・意思決定の過程が、企業の採用基準の重要な視点となっています。

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