日米の労働者・企業のスキル意識 両者間に大きな差が(2/2 ページ)
仕事に関連するスキルについて、日米の労働者にはどのような違いがあるのか。転職サイトを運営するIndeed Japan(東京都港区)が調査を実施した。
企業側の「従業員のスキル習得に対する取り組み」
企業に従業員のスキル習得に対する取り組みを尋ねると、「特になし」が日本では22.7%、米国では2.0%だった。
日本の取り組み内容1位は「従業員がどのような仕事に関連するスキルを身につけるかは、従業員に委ねられている」(29.3%)、2位は「スキルを身につけるための学習に関わる費用について、会社から従業員に支給(補助)される仕組みや、方針の明示がある」(22.2%)だった。
米国の1位は「従業員個人が仕事に関連するスキルを新たに身につけるための学習や習得の機会は、会社から提供されている」(48.0%)、2位は「従業員がどのような仕事に関連するスキルを身につけるべきかは、会社や上司から明示される」(45.7%)となった。
働き手側の「自社のスキル習得に対する取り組み」
労働者に自社のスキル習得に対する取り組みを聞くと、「特になし」が日本では45.6%、米国では6.8%だった。
日本の取り組み内容の1位は「どのようなスキルを身につけるかは、従業員に委ねられている」(21.7%)、2位は「スキルを身につけるための学習に関わる費用について、会社から従業員に支給(補助)される仕組みや、方針の明示がある」だった。
米国の1位は「従業員個人が、今後新しく身につけたい仕事に関連するスキルについて、会社や上司と相談する機会が設けられている」(42.1%)、2位は「従業員同士で、業務に必要な知識・スキルを学び合う・共有し合う場が設けられている」(41.5%)となった。
調査は4月11〜5月10日、インターネットで実施した。労働者調査では20〜59歳の男女・日米各3096人、企業の人事・人材採用担当者側では日本・米国各1030人を対象とした。
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