インタビュー
なぜ売れた? イワタニの4万円鉄板プレート、1カ月半で1200万円突破(2/5 ページ)
イワタニの「ホームシェフプレート」は4万4000円ながら、Makuakeでの先行販売で1カ月半で1200万円超を売り上げた。人気の理由は……。
開発で直面した課題
構想を始めた2022年当時は、コロナ禍でキャンプや家庭料理への関心が高まり、追い風が吹いている状況だった。同社マーケティング部長の本山孝祐さんは「ガス火の特徴を生かして、本格的な鉄板料理を自宅で楽しめるという提供価値を考えた」と語る。
プロ仕様の調理道具を家庭で使えることをコンセプトに開発を進めたが、素材の選定、安全性、デザインの再現性で課題に直面した。
当初は鉄製プレートを検討したが、厚くすると焼き上手さんシリーズの耐荷重(食材込みで5キロ)を超え、薄くすると焼きムラが出てしまった。さらに四角い形状ではゆがみが生じやすく、試作を繰り返す必要があった。
「なかなかうまくいかず、開発自体がストップしそうになった」とマーケティング部新商品開発担当の山崎すみれさんは振り返る。
試行錯誤の中で採用した「アルミクラッド三層鋼」が転機となった。アルミの熱伝導性と、ステンレスの耐久性・保温性を組み合わせた構造により、プレート全体を均一に加熱でき、焼きムラを解消した。さらに重量は鉄の約半分に抑えられた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カセットコンロで“くるくる”焙煎? イワタニの新商品にコーヒー好きがざわつく理由
カセットコンロで“くるくる”とコーヒー豆を焙煎できる――。イワタニの新商品が、手軽に本格焙煎を楽しめるとコーヒー通の間で話題になっている。そのユニークな仕組みとは?
バルミューダの「高級ホットプレート」なぜ人気? 発売1年で4万5000台突破のワケ
バルミューダのホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」が好調だ。4万円を超えるのに、なぜ人気なのか。担当者を取材したところ……。
8万円を超える「カセットコンロ」が完売 イワタニはなぜ“極”めたのか
岩谷産業が高級カセットコンロを発売した。商品名は「イワタニカセットフー “極”」で、価格は8万2500円。ちょっと信じられない価格だが、どのような特徴があるのかというと……。
360度くるくる回せる「焼き鳥器」が人気 開発のきっかけは、行きつけ店の閉店
ガードナーが開発した、煙が出ない串焼き器「YAKITORiLL(ヤキトリル)」が「Makuake」で話題となっている。開発のきっかけや狙いを、開発者の椿拓巳さんに聞いた。



