なぜ売れた? イワタニの4万円鉄板プレート、1カ月半で1200万円突破(4/5 ページ)
イワタニの「ホームシェフプレート」は4万4000円ながら、Makuakeでの先行販売で1カ月半で1200万円超を売り上げた。人気の理由は……。
初のクラファンでは大きな反響を生んだ
納得のいく製品が完成したものの、同社はこれまで商品のコンセプトに「誰でも使いやすい」を掲げている。そのため、価格が4万円を超える高額商品であり、「本格的な料理を楽しみたい」という限られたニーズに応えるプレートを、どのように市場に出すかが課題となった。
そこで、販路の一つとしてイワタニが初めて活用したのが、応援購入サービスである。マクアケを選んだ理由について、山崎さんは「新しいものに対して感度が高い人が集まっている。テスト販売のような位置付けで活用した」と語る。
初回は300枚のロットで製造し、事前広告も打たずに発売したところ、想定以上の反響があった。1カ月半でほぼ完売し、売り上げは1200万円を超えた。購入者の約8割が男性で、金銭的に余裕のある40〜60代が中心だった。さらに、焼き上手さん本体とのセット購入が6割を占めるなど、新規顧客の開拓にもつながった。
購入者からは「友人が来た時に鉄板焼きをして喜ばれた」というエピソードのほか、鉄板焼き店の経営者からは「焼きムラがなかった」などのポジティブな声が寄せられた。応援購入サービスが終了した後も、一般販売に関する問い合わせが多かったという。
マクアケでは、早割価格(3万5200円〜)を用意したとはいえ、プレートとしては高単価である。それでも支持された背景として、製造工程を詳細に紹介し、職人の手作業による価値を可視化したことが挙げられる。
「プロ仕様」というコンセプトが関心を引き、高品質な調理器具への潜在需要を掘り起こしたようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カセットコンロで“くるくる”焙煎? イワタニの新商品にコーヒー好きがざわつく理由
カセットコンロで“くるくる”とコーヒー豆を焙煎できる――。イワタニの新商品が、手軽に本格焙煎を楽しめるとコーヒー通の間で話題になっている。そのユニークな仕組みとは?
バルミューダの「高級ホットプレート」なぜ人気? 発売1年で4万5000台突破のワケ
バルミューダのホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」が好調だ。4万円を超えるのに、なぜ人気なのか。担当者を取材したところ……。
8万円を超える「カセットコンロ」が完売 イワタニはなぜ“極”めたのか
岩谷産業が高級カセットコンロを発売した。商品名は「イワタニカセットフー “極”」で、価格は8万2500円。ちょっと信じられない価格だが、どのような特徴があるのかというと……。
360度くるくる回せる「焼き鳥器」が人気 開発のきっかけは、行きつけ店の閉店
ガードナーが開発した、煙が出ない串焼き器「YAKITORiLL(ヤキトリル)」が「Makuake」で話題となっている。開発のきっかけや狙いを、開発者の椿拓巳さんに聞いた。

