労働者の3分の2は「AI上司に期待」 それでも必要な“人間の上司”の役割
労働者の3分の2は、AIによるマネジメントが職場をより公平かつ効率的にすると考えている。これは履歴書作成サービスを提供する米Resume Nowが8月に発表した調査報告によるものだ。
労働者の3分の2は、AIによるマネジメントが職場をより公平かつ効率的にすると考えている。これは履歴書作成サービスを提供する米Resume Nowが8月に発表した調査報告によるものだ。
73%が採用・解雇・予算配分に関する意思決定にAIを活用することを支持している。一方で「AIマネジャーの下で働きたい」と答えたのは34%にとどまり、62%は「やはり人間の上司を望む」と答えた。
“人間の上司”の役割とは?
Resume Nowのキャリア専門家であるキース・スペンサー氏は報告書で次のように述べている。「従業員は、公平性や意思決定を改善するのであればAIマネジメントを試す意欲を持っている。しかしそれは、人間の上司に別れを告げる準備ができていることを意味しない。応募者が採用や仕事の現場でAIを受け入れていても、人々は依然として成長や対立、キャリアの方向性について話し、信頼し、共感できるマネジャーを求めているのだ」
別の調査でも、企業がAI導入を進めるにつれて、従業員がAI主導のマネジメントや職場の変化に前向きになっていることが示されている。例えば45%は「AIを同僚より信頼する」と答え、38%は「人間よりAIマネジャーを望む」と回答した。
Resume Nowが米国のフルタイム労働者900人以上を対象に実施した調査によれば、85%が「AIの透明性が高まれば雇用主への信頼も増す」と答えている。さらに半数以上が「昇進に関してはAIの方が人間より良い判断ができる」「公平な目標設定や偏りのないフィードバックができる」と考えている。
一方で、64%は「チームを鼓舞できるのは人間だけだ」と答え、過半数が「感情を理解し、道徳的に複雑な意思決定を行えるのは人間に限られる」としている。また39%は「AI上司による監視やデータ悪用」を懸念し、29%は「AIリーダーが職場を非人間的かつストレスの多い環境にする恐れがある」と答えている。
スペンサー氏は「従業員は完全に自動化された職場を求めているのではない。求めているのは『思慮深い統合』だ」と強調する。「AIはシステムを効率化し、公平性を支援できる。しかし人間のリーダーを置き換えるのではなく、人間と並行して機能すべきだ。未来のマネジメントはAIによって強化されるかもしれないが、その中心には依然としてAIスキルを身につけた人間のリーダーが必要である」
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