コラム
ドンキは本当に最強なのか? 地方スーパーが突きつける“一強多弱”の限界(4/7 ページ)
国内外で快進撃を続けるドンキに異変か。圧倒的な現場主義で拡大を続ける一方、地方発スーパーが「超本社主義」で成長を遂げ、王者の牙城を脅かし始めている。
海外展開がインバウンド需要拡大の基盤に
国内での買収戦略により店舗網と客層を拡大させた一方で、海外においても戦略的な買収が功を奏しました。
海外では、2006年にダイエーのハワイ事業を買収したことを契機に、2013年には米国西海岸のスーパーを買収。その後はシンガポールをはじめ、東南アジア各国へと出店を拡大していきました。
海外店舗では、圧縮陳列や独自の店頭音楽など“ドンキらしさ”を打ち出す戦略を採用しました。また、アニメなどの「日本ブランド」を前面に押し出すことで、現地のファンを獲得しています。こうした取り組みは、2010年代にインバウンド需要が急増した際の免税売上の拡大にもつながりました。
日本国内のドンキに行くと、アジア諸国からの旅行者が買い物をしている光景をよく目にしますが、これは海外展開を通じて海外での知名度とファンを着実に積み上げてきた結果といえます。東南アジアなどで店舗を展開していたことで、ドンキを知る外国人が増え、「日本への旅行時に行ってみたい店」として認識されるようになったのです。
実際に、日本のドンキは店舗ごとに品ぞろえや雰囲気が異なることを理解した海外のリピーターも多く、旅行客の中には「どのドンキに行くか」まで計画に組み込むケースも見られるほど、ファンができているのです。
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