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「東京―大阪」偏重に一石 西日本が仕掛ける新しい観光動線(3/4 ページ)
閉幕まで約1カ月となり連日盛況の大阪・関西万博をきっかけに、訪日客を兵庫県から九州までの西日本に呼び込もうと、自治体や企業が連携し「西のゴールデンルート」を打ち出している。
オーバーツーリズム、6割が「悪影響」
各観光地が訪日客でにぎわう一方、オーバーツーリズムの問題も深刻化している。リクルート「じゃらんリサーチセンター」の調査では、旅行者の増加で日常生活圏に混雑エリアが発生している場合について「悪影響が出ている」とした回答が60.4%に上った。政府も対策を打ち出しているが、有効な解決策にはなっていない。
調査は行政や宿泊施設などを対象に実施。混雑エリアで発生している問題(複数回答)としては、「生活圏の雰囲気が変わった」(57.5%)、「マナーが悪い旅行者がいる」(52.2%)の順に多かった。
地域ごとにみると、関西では「生活圏の雰囲気が変わった」が72.9%、関東では「物価や飲食店の価格などが急激に上昇した」が60.0%とそれぞれ目立ち、地域ごとに問題のポイントが異なる傾向もみられた。
必要な対策(複数回答)としては「マナー啓発(多言語対応など)」が54.8%と最も多かった。一方で難しい対策としては「交通渋滞の解消」が44.9%、「公共交通の輸送力増強」が44.5%だった。
政府は2023年にオーバーツーリズム対策を発表し、観光客の分散や平準化に乗り出している。混雑する路線バスから地下鉄への分散促進、手ぶら観光の実証導入のほか、需要に対応した運賃・料金の柔軟な設定などを打ち出し、導入に向けた予算措置や規制緩和を進めるが、解決には至っていない状況だ。(井上浩平)
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