北九州のソウルフード「資さんうどん」 なぜ関東で行列ができるのか:3分インタビュー(2/3 ページ)
2024年12月、北九州のソウルフード「資さんうどん」が関東に進出しました。千葉・八千代の1号店には行列ができ、いまも話題を集めています。なぜ人々を引きつけるのでしょうか。
チラシを配る必要はない
――関東には「資さん」のことを「しさん」と呼ぶ人がまだまだ多いように感じますが、それでもお店に行列ができる。その背景に、「クチコミの力が大きかった」と分析されていますが、クチコミを拡散させるために何か手を打ってきたのでしょうか。
崎田: 他のブランドで新しいお店を出店する場合、チラシを配るんですよね。しかし、資さんうどんの場合、配りませんでした。繰り返しになりますが、クチコミによる影響が大きいので、会社として「チラシを配る必要はない」と判断しました。
ただ、他のブランドと同じように、事前にSNSで告知をしました。また、店の近所に看板も掲げました。「〇月〇日にオープン」などと書かれた看板を掲げると、街でうわさがあっという間に広がりました。なぜクチコミでそれほどの盛り上がりを見せるのか。個人的には、「日常食であることが大きい」と思っています。
物価高などの影響で、外食の単価が上がり続けています。すかいらーくのブランドでいえば、ガストも客単価の平均が1000円を超えました。そうした状況の中で、資さんうどんは800〜900円ほど。家族4人で訪れても、4000円以内で収まります。
また、基本は24時間営業なので、朝・昼・晩・深夜に食べられる。特別な資さんではなく、“日常の資さん”といった存在なので、「ちょっと行ってみない?」といった具合に、同僚や友人を誘いやすいのではないでしょうか。
――北九州と関東のうどんの味に、違いはあるのでしょうか。水質が違うので、同じ味にするのは難しいのでは?
崎田: ご指摘のとおり、水質の違いによって、うどんの味は変わってきます。北九州と関東の水質は違いますが、九州の中でも違いはあるんですよね。そうした状況の中で、これまで北九州で生まれたうどんの味を守ってきました。
関東でも同じ味を守り続けるために、さまざまな検証を繰り返してきました。いろいろな工夫を重ねて、「これならやっていける」という結論に至りました。ただ、今後、新しいエリアに出店した際、水質が違いすぎて、改良を加える必要が生じるかもしれません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
なぜラーメン二郎は信者を生むのか 支配と服従がもたらす“中毒性”の正体
ラーメン二郎府中店がXに投稿した「食事は20分以内」の“お願い”が話題になっている。「客を支配している」と批判する人もいるが、むしろ日本では今後そうした店舗が増えていくのではないか。その理由は……。
ドンキ「152円ビール」じわり人気 “地味過ぎる”見た目になった深いワケ
ドンキのPBビール「ド」シリーズがじわじわ売れている。モノクロのシンプルなデザインと1本152円の低価格で、若年層やライトユーザーを中心に支持を広げているようだ。
セブンの棚を制した“宇宙人ビール” 1本350円でも、いきなり売れたワケ
350円のビール「有頂天エイリアンズ」がセブンに登場し、予想外の売れ行きを見せている。高価格でもヒットした理由とは?


