インタビュー
「写ルンです」17億本突破 なぜ、Z世代はアナログに夢中なのか(3/4 ページ)
累計17億本を突破した富士フイルムの「写ルンです」。Z世代を中心に人気が再燃する中、スマホ専用アプリ「写ルンです+」でアナログの魅力を残しつつ、デジタル体験を拡張する狙いを探る。
アナログの価値を保ちつつ楽しみ方を拡張
アプリでは、写ルンです本来のアナログの魅力を保ちながら、デジタル技術でさらに楽しめるよう工夫した。写ルンですの最も楽しい瞬間は、撮った写真を見るときにある。
そこで、現像完了後に初めて画像を開くと、27枚が重なった状態で表示され、好きな方向にスワイプしながら1枚ずつ確認できる演出を用意した。現像したフィルム写真をめくる体験をデジタルで再現したもので、この演出は初回開封時のみ楽しめるようにした。単に画像データを渡すだけでなく、現像を待った後の感動を最大化する仕組みだ。
アプリのダウンロード数は非公開だったが、利用者は20代を中心とした女性が多いという。初めて写ルンですを購入した利用者もいるなど、「アプリをきっかけに、写ルンですを試してみたいという声も出ている」と植松さんは手応えを語る。
スマホアプリの中には、レトロ風の写真を撮影できるものもあるが、写ルンですとの違いは明確だ。
「撮ってすぐに確認できるフィルム風アプリとは異なり、ファインダーをのぞいて撮影し、うまく撮れているか分からないまま現像を待つところも含めて1つの体験だ」と植松さんは差別化ポイントを語る。
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