インタビュー
「ブラックサンダー」一本足打法の限界……突破口となる“至福”の新商品とは?:地域経済の底力(2/5 ページ)
これまで19億本を売り上げた大ヒット菓子のブラックサンダー。その開発・販売を行う有楽製菓は、製品のリニューアルに加え、工場見学施設もオープンさせた。人気菓子は、今後どのように進化するのか?
王者ブラックサンダーの光と影
ブラックサンダーは有楽製菓最大のヒット商品であり、チョコレート市場の売り上げ個数ブランドでもナンバーワン(インテージ調べ)の商品だ。その特徴は、ココアクッキーとプレーンビスケットをチョコレートでコーティングしたザクザク食感である。
しかし、実は発売当初から売れていたわけではない。むしろ業績が振るわずに全国販売を休止し、九州エリアだけで販売をしていた時期もあった。
人気に火がついたのは、元体操選手の内村航平さんが、2008年の北京オリンピック前に「大好物」と公言したことがきっかけだった。これにより、一時は品薄状態になるなどのブームとなり、翌年は1億個以上を売り上げ、会社としても息を吹き返すことができたのである。
その後の売り上げは長らくブラックサンダー頼みだったが、盛り上がりも落ち着いたことで、有楽製菓は新たな矢を放つ必要に迫られた。それまでも複数のシリーズ商品を作ってはいたものの、なかなか安定的な売り上げにはつながらなかった。
例えば、「マンゴーのサンダー」や「コーンポタージュサンダー」など、発売しては定番化せずに消えることを繰り返していた。
有楽製菓で執行役員マーケティング部長を務める杉田晶洋氏は、売り上げが低迷した2018〜2020年を「暗黒期」と振り返る。それを打破するために誕生したのが「至福のバター」だった。
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