インタビュー
元球団社長が「地方の回転すし屋」に……なぜ? 銀座、国会議事堂に打って出た塩釜港の勝算:地域経済の底力(3/7 ページ)
行列の絶えない回転ずし店「塩釜港」が、銀座や国会議事堂などに次々と出店している。その背景にある思いとは……。
後継者として、白羽の矢が立つ
転機は2021年12月。楽天野球団退任を発表した立花社長に、最初に声をかけたのが鎌田会長だったことだ。
「本当に恥ずかしい話ですが、退任のプレスリリースを出したらすぐに声がかかるだろうと思っていました。でも、実際は誰からも連絡が来ませんでした」と立花社長は苦笑する。
そんな中での塩釜港からの連絡。「鎌田さんも高齢で、後継者もいない。塩釜港を引き継いで、さらに大きくしてほしい」という依頼内容だった。
立花社長にとって、まさに願ってもない話だった。その後、他社からも複数のオファーが舞い込んだものの、「ワクワクするお話をいただいたのは塩釜港だけだった」と振り返る。宮城や東北との縁を切りたくないという思いもあったという。
M&Aという形を取り、3〜4カ月間の交渉を経て、立花社長は塩釜港の株式を取得。2022年4月に社長に就任した。
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