入社後の満足度を左右する要素は「肩書」ではない? “SNS時代”就活の落とし穴:カールツァイス調べ(1/2 ページ)
就活で「周囲からの目を気にした」20代が、早期退職をしている傾向がある──。全国のビジネスパーソン1000人を対象に実施した「ビジネスパーソンのキャリア形成における満足度に関する調査」で明らかになった。
就活で「周囲からの目を気にした」20代が、早期退職をしている傾向がある──。そんな結果が、顕微鏡やレンズなど光学精密機器の開発製造を手掛けるカールツァイス(東京都千代田区)が、全国のビジネスパーソン1000人を対象に実施した「ビジネスパーソンのキャリア形成における満足度に関する調査」で明らかになった。
就職先選び 2人に1人が「家族や周囲の目」を重視
新卒の就職活動で企業選択時に重視した点について、「家族や親からの評価・期待」を「とても重視」または「やや重視」したという人は48.0%いた。また、45.4%が「友人や周囲からの評価」、44.4%が「異性から見た企業イメージ」と回答した。
これら3つのうちいずれかを「とても重視」した割合は65.0%にのぼり、20代の3人に2人が、周囲の見え方を意識して就職先を選んでいることが分かった。
さらに、20代会社員のうち就職活動で「家族・友人・異性」からの目を重視した人の39.7%が、入社3年未満で退職していることが分かった。これは、全体の3年未満退職率(31.8%)より約10ポイント高く、周囲の評価を重視したキャリア選択は早期退職の傾向と関連しているといえる。
一方、新卒の就職活動において「将来のキャリアプランに合っている業務内容」を重視した人は55.0%おり、そのうち企業選びに「とても満足した」「やや満足した」と答えた人は76.7%に上った。全体の満足度(59.6%)を約17ポイント上回り、明確なキャリア観を持つ人ほど入社後の満足度が高い結果となった。
勤めている企業に就職した時の志望動機については、「働きやすさ」(37.9%)が最も多かった。次いで、「待遇・報酬」(37.6%)、「企業知名度・安定性・将来性」(25.4%)と、外的評価に関する要素が上位に入った。
実際に入社後に重視されるのは、「働きやすさ」と「待遇・報酬」(共に32.1%)に続き、「達成感のある業務」(18.6%)、「成長・キャリアアップ」(17.1%)がランクインした。
入社時に3位だった「企業知名度・安定性・将来性」は、16.9%にとどまり5位に後退した。肩書やブランドは、仕事のモチベーションに必ずしも直結しないことが示唆された。
背景にはSNSの普及が関係している。現代では他者の成功やステータスが常に可視化されるため、入社前のキャリア選択が「自分らしさ」よりも「他者からどう見られるか」に影響されやすくなっている。
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