面接で話を「盛る」候補者 STARメソッドで見抜く(2/3 ページ)
面接では「候補者の本質」を引き出す必要がある。話を「盛っている」と感じたときはどう対処すべきか? 見抜くためのSTARメソッドを紹介。
――面接官から胸襟を開くことが大切なのですね。では、3つ目のポイントは何ですか?
3つ目は「職務経歴書など事前の情報から評価ポイントを伝える」です。
書類選考を通過し面接に至っている時点で、何かしら評価したポイントがあるはずですから、面接では「〇〇という実績を拝見し、当社でも活躍いただけると感じました」というように、相手に具体的に伝えてあげてください。すると、候補者は自己重要感が満たされますし、「どこを重点的に話せば良いか」という指針にもなり、心理的安全性が高まります。
4つ目は「相手が話しやすいテーマから質問に入る」です。候補者は、ある程度質問内容を想定しているはずです。例えば「自己紹介をお願いします」などは、どなたもある程度準備していますよね。そうした用意できている答えから存分に話してもらうことで、候補者は安心感を得られ、その後の会話もスムーズになります。逆に「退職理由は何ですか?」といった核心的で答えにくい質問から入るのは避けたほうがいいでしょう。
――面接では、相手を尊重する姿勢を示すことが大切なのですね。
はい。5つ目は「強みを具体的な行動や実績と結びつけて語らせる」ことです。
例えば、候補者が「リーダーシップがあります」と言ったところで、その人の実力はよく分かりません。その場合は「それを発揮した具体的なエピソードを教えてください」とか、「どのような行動を取り、どのような結果につながりましたか?」と、面接官から具体的な質問をして話を引き出しましょう。感覚的に話す傾向がある候補者からは抽象的な回答が返ってくることもあります。その際は、面接官が言語化を手伝うようなスタンスで質問することが重要です。
6つ目は「ペーシング(相手に合わせる)」です。ペーシングとは、相手が話すスピードやトーンに合わせたり、うなずきや相槌を打ったりするコミュニケーションスキルです。面接のことを、英語でinterviewというように、面接官はインタビュアーであることを意識し、相手が話しやすいように、言葉だけでなく非言語的な部分でもコミュニケーションを取ることが求められるのです。
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