面接で話を「盛る」候補者 STARメソッドで見抜く(3/3 ページ)
面接では「候補者の本質」を引き出す必要がある。話を「盛っている」と感じたときはどう対処すべきか? 見抜くためのSTARメソッドを紹介。
――先ほどの「アピール合戦」ではありませんが、面接では自分をよく見せようという心理が働きます。候補者の話が「盛られている」と感じたとき、見抜く方法はありますか?
候補者にとってのゴールは「合格」ですから、話を盛ってしまうのはある意味で自然なことです。面接官はそのことを前提に相手の話をうのみにしないようにしましょう。
そこで役立つのが「STARメソッド」を応用した深掘りです。STARとは「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の頭文字を取ったものです。こうやって深堀りすることで、相手が自分の言葉で具体的に、そして論理的に説明できるかどうかを見分けられます。
――具体的に、どのように質問すれば良いでしょうか?
面接では実績を誇りたいがために「1億円売り上げました」といったResult(結果)のみをアピールする方もいますが、重要なのはそこに至るまでのプロセスです。
まずは「その結果を出す前、チームはどのような状況(Situation)にありましたか?」と聞き、続いて「その状況を踏まえ、あなたは何を課題(Task)だと設定しましたか?」とさらに問いかけます。その後「その課題を解決するために、具体的にどのような行動(Action)を取りましたか?」など、STARにのっとって聞いていきましょう。
もし「1億円達成」が、実は同チームの他人の手柄であったり、話を大きく盛っていたりすると、候補者は深掘りに対してスラスラと答えられません。人から指示されて動いただけの場合も同様です。これらの質問を通じて、その実績が本物であるか、そしてその裏にある主体性や思考力を見極めることができるのです。
酒井利昌
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ取締役。これまで携わった会社はすべて採用目標達成を実現。独自のコンサルティングプログラムにより、採用できない会社を自力で採用できる会社へと変えている。著書に『増補改訂版 いい人財が集まる会社の採用の思考法』(フォレスト出版刊)がある。
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