2015年7月27日以前の記事
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スマホの「ながら運転」をどうやめさせるか カーナビの功罪とメーカーの対策高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)

運転中のスマホなどの使用による死亡・重傷事故は増加しており、問題になっている。ながら運転をさせないために、ドライバー監視システムなどを普及させるとともに、運転中にスマホを使えなくすることも検討すべきだ。官民で対策を強化しなければならない。

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カーナビが諸悪の根源だった?

 スマホだけを悪者にして議論が終わるわけではない。スマホを車内に持ち込む(物理的な持ち込みではなく、利用する)ことへの抵抗を減らした原因があるのではないだろうか。

 それはカーナビゲーションシステムである。カーナビ自体は、目的地を設定すれば現在地からのルート案内によって効率よく運転できるデバイスで、とても便利だ。今では、カーナビを利用していないドライバーはほとんどいないほどに普及している。

 しかし、カーナビが普及し始めた段階から、運転中の操作や画面注視が運転行動に影響して事故リスクを高めることが、自動車安全運転センターなどの調査で報告されていた。カーナビの表示方法や操作性、搭載位置などが視線移動や運転操作へ与える影響を測定した研究もあり、自動車メーカーもそれらに配慮している。

 カーナビが登場していなくても、スマホの普及によって、ながら運転を助長する環境になったことは間違いない。それでも、車内で大型の視覚情報を扱えるようになったことは「注視すべき余地」を増やし、スマホ以前から脇見リスクの要因だったといえる。


普通の交差点で追突事故が起こった例。後続のドライバーがながら運転をしていれば、こうした事故は起こりうる。以前では考えにくかったケースの事故が増えている(筆者撮影)

 カーナビは前述のように非常に便利な半面、ドライバーの走行ルートを考える力を低下させ、週末ともなれば渋滞を悪化させる原因の一つとも考えられている。このあたりもカーナビの功罪ではあるが、今回はスマホの問題に絞る。

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