インタビュー
森永の「板チョコアイス」はなぜ消え、なぜ売上倍増で帰ってきたのか?(2/5 ページ)
一度販売休止した森永の「板チョコアイス」が復活している。通年販売や限定フレーバー、コラボ戦略で認知拡大を果たし、直近5年で売上は2.4倍に。人気再燃の背景を探る。
ファンの声を受け復活
こうした背景を受けて、消費者からは再販を望む声も多く寄せられた。そこで同社は、発売当初からこだわっていた「板チョコらしさ」を追求し、2003年秋に再発売を決断した。秋冬のアイス市場には伸びしろがあり、菓子カテゴリーではチョコレートの売上が拡大するシーズンでもある。「板チョコみたいなアイス」という商品特性から、チョコ需要が高まる秋冬との親和性が高いと判断した。
コンセプトも「夏に食べられるチョコレート」から、「秋冬にぴったりなチョコを楽しめる板チョコ型のアイス」へと転換。箱のパッケージを復活させ、チョコレートの山の数も調整して食べやすさを向上させるなど、「板チョコ」としての存在感を形にした。
再発売後は秋冬限定として定着していたが、「夏も食べたい」という要望が多くなり、2020年から再び通年販売に切り替えた。通年化に際し、同社は人気アニメ『進撃の巨人』とのコラボを実施。背表紙をつなげると1枚の絵になる全10種類のパッケージを展開して話題を呼んだ。
「秋冬商品として発売していたこともあり、認知度が低かった。品質を知ってもらえれば、ファンになってもらえると考えてコラボを実施した」と、冷菓マーケティング部の谷山実希さんは振り返る。
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