伝わるプレゼン資料かどうかは「作る前」に決まる 意識すべきポイントは?(4/4 ページ)
プレゼン資料で重要なのは綺麗さではなく「伝わる資料になっているか」だ。では、どうすれば伝わる資料になるのか?
――過去に資料作成で失敗したエピソードがあれば教えてください。
ありますね(笑)。1人で資料を作ろうとして、目的やメッセージを曖昧(あいまい)にしたまま手を動かし続けてしまった結果、意味のないスライドを量産してしまったことがありました。
そういう時って時間だけがかかって、結局「で、何が言いたいの?」という資料になってしまう。やはり1人で悩むのではなく、早い段階から周囲を巻き込むことが大事です。関係者を巻き込んでプロジェクト化し、数字や目的にひも付けながら進めていく。これが失敗から学んだ大きな教訓です。
――資料づくりのノウハウは、どのようにして蓄積されたのでしょうか?
私のキャリアの原点はSNSのバズコンテンツづくりと、コールセンターでの研修資料作成にあります。スマホで数秒見られるだけで拡散されるような投稿を考える経験や、法律の制約がある中でいかに「伝わる説明」をするかを追求した経験が、自然と今の資料作成ノウハウにつながっています。
――「キメヘン」や「QAR」といった考え方は、資料作成以外にも応用できると思いますか?
はい、まさにそう思っています。「誰をどういう状態に変化させたいのか」という問いは、全てのビジネスコミュニケーションの根幹だと思います。例えば、こうして今私がインタビューに答えているこの瞬間も、実は「読者にどんな理解や気付きを得てほしいのか?」というキメヘンを意識しながら話しているんですよ。
ですので、資料作成に限らず、営業・人事・リーダーシップ開発など、あらゆる場面でキメヘンとQARは使える概念として、社内外にも伝えていきたいと思っています。
豊間根青地
1994年東京都生まれ。東京大学工学部卒。サントリーで通販事業のCRM・広告などを担当する傍ら、趣味のPowerPointで作成したスライドがSNSで反響を呼び、12万人以上のフォロワーを集める。2022年に独立し、「わかおも(わかりやすくおもしろい)」で「しごおも(仕事がおもしろい)」の実現をめざす会社「うねり株式会社」を創業。著書に『秒で伝わるパワポ術』『秒で使えるパワポ術』(KADOKAWA)
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