“眠りを変える指輪”が人気 国内1位「ソクサイリング」は世界の競合にどう挑む?(3/4 ページ)
「スマートリング」の需要が世界的に高まっている。国内市場も右肩上がりで、各社の競争が激化。国内シェア1位の国産スマートリング「ソクサイリング」は、世界の競合とどう戦っていくのか。
「ソクサイリング」は“睡眠”に注力
世界的にスマートリングへの期待が高まるなか、国内ではソクサイリングが人気を集めている。しばらく自社ECストアのみで販売していたが、2025年2月からは家電量販店の一部店舗で、4月末からは全国2200店舗以上のドコモショップでも販売を開始。2025年9月末時点で、4万5000個を販売している。
同製品は、光学式心拍センサー、血中酸素レベル(SpO2)測定用センサー、皮膚温度センサー、加速度センサーなど最先端のセンサーを搭載しており、「体調」「運動」「QoL」のスコア、「ストレスレベル」「月経周期」を算出できる。5種類のカラーがあり、価格は3万5980〜3万9980円だ(2025年10月時点)。
ソクサイでは、創業時から「健康管理」のためのスマートリングを追求してきた。同時に、NFC決済機能を搭載する開発も進めていたが、セキュリティ条件の整備や法規制への対応などの課題に直面し、2025年5月に「現時点での実装を見送る」と発表。「スマホでできることは削ぎ落として、ヘルスケアに特化する」という方針に立ち返ったところだ。
製品は何度かアップデートを重ねており、2025年4月末に最新バージョンの「ソクサイリング 1.1」を発売。データ通信速度を強化してハードウェアの安定性を向上させたほか、各種分析結果を可視化するアプリのデザインを大幅に変えて、見やすくした。
「ソクサイリングは、バイタルセンシング技術でいえば大手競合と横並びの精度ですが、アプリのUI・UXではもう一歩というところでした。今回のアップデートでは、そうしたギャップを埋め、ユーザー体験の向上を目指しました」
特に注力しているのは「睡眠」の分析だ。睡眠学に基づいた7つの指標で独自のスコアリングを実施している。「睡眠効率」や「睡眠負債」のほか、日中の脳の活動状態や意識のレベルを指す「日中覚醒度」や「睡眠時無呼吸の傾向」「体内時計グラフ」など多様な分析を提供する。
「当社のユーザーが求めているのは、圧倒的に『睡眠分析』です。アプリでは、計測結果の可視化に加え、生成AIを活用した睡眠改善のアドバイスも提示しています。継続して使用すると行動が変わり、睡眠時間が伸びたり、深い睡眠が増えたりする傾向が見られます」
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