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“自社タイミー”を独自開発→人手不足を劇的に解消 サラダ専門店が生み出した、すごいアプリの正体(1/2 ページ)

サラダ専門店「クリスプサラダワークス」を展開するCRISPが、アルバイトスタッフのシフト管理にいわば“自社タイミ―”といえる制度を導入した。具体的にどういったものなのだろうか?

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 サラダ専門店「クリスプサラダワークス」を展開するCRISP(東京都港区)は、アルバイトスタッフのシフト管理にDXを活用している。

 導入したのは、スタッフが自分のスマートフォンから全店舗の空きシフトを確認し、都合に合わせて勤務先を選べる、いわば“自社タイミ―”といえる制度だ。これにより、人手不足とされるシフト充足率90%以下の日数を、従来の3分の1まで減らすことに成功した。


クリスプサラダワークス 虎ノ門ヒルズ店(編集部撮影、以下同)

 クリスプサラダワークスは、都心を中心に40店舗(2025年10月現在)を展開するカスタムサラダ専門店だ。1000〜2000円程度のサラダに、好みのトッピングを追加して注文できる。店舗スタッフの8〜9割はアルバイトで、そのうち7割が学生だという。

 同社は、外食チェーンでありながら、注文や商品開発、店舗運営などの分野で積極的にDXを推進している。従業員向けアプリの開発など、テクノロジーを活用した取り組みを進めており、こうした背景が“自社タイミー”のような仕組みを実現できた理由の一つでもある。DX推進の詳細については、こちらの記事で紹介している。


クリスプサラダワークス 「クラシック・チキンコブ」

 帝国データバンクの調査によると、飲食店において、アルバイトなどの非正社員の不足を感じている企業は2025年7月時点で61.8%に上る。CRISPの宮野浩史社長も「外食業界はどこも人手不足。営業時間を延ばしたくても、あるいは新たに出店したくても、人手が確保できずに踏み切れないケースもある」と話す。

 最近では、スキマバイトサービス「タイミ―」など、短時間で働けるサービスも普及している。しかし、企業側に手数料負担が生じたり、初めて勤務するスタッフが多くなってサービス品質の維持が難しかったりするなど、課題も多いそうだ。

“自社タイミー”でシフトを自由に選択

 こうした課題を踏まえ、CRISPでは2022年12月に自社開発の勤怠・エンゲージメント管理アプリ「クリスプワークプレイス」を導入した。スタッフはアプリから全店舗の空きシフトを確認し、希望する時間帯や店舗を自由に選んで勤務できる。例えば、所属店舗の金曜シフトが埋まっていても、隣の店舗に空きがあればそこで勤務できるそうだ。


管理アプリ「クリスプワークプレイス」(CRISP提供)

 一般的な飲食店チェーンでは、店長がアルバイトの希望を集約してシフトを作成するケースが多い。人手が足りない場合は、店長同士がやりとりして他店舗にヘルプを依頼することもある。

 一方、CRISPではアプリ上で全シフトを公開。スタッフが自主的に空きシフトへ応募できるため、店舗間のやりとりが不要になった。

 さらに、シフトが埋まらない場合には、その時間帯の時給を上乗せできる仕組みも整備。過去のデータをもとに、店舗の立地や時期によって人手が不足しやすいタイミングの時給をあらかじめ引き上げるなど、安定した人材確保に向けた工夫を行っている。

 アルバイトはアプリ上で時給を比較しながら勤務先を選べるため、勤務場所に対して納得感を持って働けるようになったという。


アルバイトスタッフの7割は学生だという(編集部撮影、以下同)

 学生アルバイトが多い同社では、「予定の合間に近くの店舗で働ける」「学校帰りに勤務できる」「時給が高い店を選べる」といった柔軟な働き方ができるようになり、シフトが埋まりやすくなったそうだ。

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