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なぜ人は「うまい話」に群がるのか――「みんなで大家さん」の高利回りは明らかに「持続不可能」だった(1/4 ページ)
年利6〜7%の「高利回り」と「元本割れなし」を信じた投資家たち。だが、その実態は資金の“付け替え”による延命だった。崩れた安全神話が示すのは、個人投資家の危うい「信じたい心理」だ。
筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士
1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経て株式会社X Capitalへ参画。
年利6〜7%という高い利回りをうたい、個人投資家から巨額の資金を集めた不動産小口化商品「みんなで大家さん」。運営会社である都市綜研インベストファンドなどが2024年6月、不動産特定共同事業法(不特法)違反で行政処分を受けると、投資家の表情は一変した。
同社がうたった「15年間元本割れなし」という安全神話は崩壊し、配当停止や元本返還の遅延が続出。全国で集団訴訟が起きる事態に発展している。
なぜ、これほど多くの個人投資家が、市場金利とかけ離れた高利回りの「罠」にはまったのか。本件は、個人の資産形成が叫ばれる現代において、金融リテラシーの欠如がもたらす深刻なリスクを浮き彫りにしている。
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