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アプリ連携機能「Apps in ChatGPT」の実力は? チャット指示でCanvaを操作、編集も自在にその悩み、生成AIが解決

米OpenAIが2024年10月に発表した「Apps in ChatGPT」は、外部アプリをChatGPTで操作できる連携機能だ。デザインツールとしておなじみのCanvaも、この連携機能を使うことでチャット上の指示でデザインの作成が可能になった。

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連載:その悩み、生成AIが解決

アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授します。

Q.チラシなどの制作物を、あとから編集できる状態でAIで生成したい。実現可能なツールはありますか?

 米OpenAIが2024年10月に発表した「Apps in ChatGPT」は、外部アプリをChatGPTで操作できる連携機能だ。デザインツールとしておなじみのCanvaも、この連携機能を使うことでチャット上の指示でデザインの作成が可能になった。

 現在は英語環境向けから段階的に提供されている段階だが、ユーザーが編集可能な状態のデータをチャット上の指示で作れるようになったことの利便性は高い。日本で利用するための設定と、この機能の可能性について解説する。


デザインツールのCanvaも「Apps in ChatGPT」を使うことでチャット上の指示でデザインの作成が可能に。写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

著者プロフィール:酒井麻里子(さかい・まりこ)

ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。


日本で使うには設定言語の切り替えが必要

 この機能は現時点では米国向けに提供されているため、日本の環境から利用するには各所の設定を英語に切り替える必要がある。

 設定切り替えが必要になる場所は、以下の通りだ。

  • ChatGPTの言語設定
  • Canvaの言語設定
  • ブラウザの表示言語
  • 端末の言語および地域設定

 ChatGPTは「設定」→「一般」の、「言語」および「使用言語」から、Canvaは、画面左下の「設定」→「言語」から切り替えが可能だ。さらに、使用しているブラウザとPCの設定も変更しておこう。


現時点で連携機能を利用するには、言語設定を英語に切り替える必要がある

 全ての言語切り替えが完了したら、ChatGPTの設定からChatGPTとCanvaの連携を有効にしよう。

 画面表示が英語に変わっているため少々操作しづらいが、設定→「Apps & Connectors(アプリとコネクター)」→「Browse apps(アプリを参照する)」の項目内に、Canvaのアイコンが見つかるはずだ。これをクリックし、画面に表示される手順に従ってCanvaアカウントとの連携を完了させればよい。


言語切り替え後、ChatGPTとCanvaアカウントンの連携設定を行う

 連携が完了すると、画面上部の連携中のアプリの一覧に「Canva」が表示されるようになる。

チャットの指示でCanvaのデータを作成

 デザインを作成するときは、チャット入力欄左下の「+」→「More」→「Canva」を選んだ上で、作りたいものを具体的に指示する。


連携設定が完了すると、チャット欄からCanvaを呼び出せるようになる

 なお、現時点では指示も英語で行う必要がある。今回は、下記の指示でクリスマスカードとしての利用を想定したデザインを生成した。

プロンプト

An elegant Christmas card in a warm, pastel art style. It features a cat and a Christmas tree, with the words "Merry Christmas," and space left at the bottom for a handwritten message.

(暖かみのあるパステルアート風の上品なクリスマスカード。猫とツリーを描き、「メリークリスマス」の文字を入れ、文字の下部には手書きメッセージを記入するためのスペースを残す)

 しばらく待つと、4種類のデザイン案が生成される。クリックすると拡大表示され、その画面で「Open in Canva(Canvaで開く)」をクリックすると、Canvaの編集画面でそのデザインが開く。


デザインは4案出力される。クリックすれば全画面表示で確認が可能

 一般的なAI画像生成と比べた最大のメリットは、文字のフォントや素材の色などが編集可能な状態で出力されることだ。ChatGPTの画像生成機能の場合、細かな修正を指示すると他の部分まで変わってしまうことがある。その点、Canva連携では必要な部分だけをピンポイントで確実に編集できるので効率的だ。


出力されたデザインをCanvaで開けば、通常のCanvaデータと同様に編集できる

 また、画像生成AIで文字を完璧に出すのは難しいため、「画像だけをAIで作り、文字は手作業で入れる」というフローをとることが多い。この方法なら文字も含めて出力され、かつそれを編集できるので、自身のレイアウトのセンスに自信がない人にとっては心強い。

 言語切り替えのハードルを考えると、現時点ではまだ“普段使い”はしづらいものの、日本語に対応するようになれば、かなり重宝するだろう。

 なお、Apps in ChatGPTは開発者向けにツールが提供されており、今後、さまざまなアプリが同様にChatGPTから操作できるようになることが予測できる。会話だけでさまざまな専門ツールを使いこなせるようになれば、私たちの仕事や生活の可能性は大きく広がっていくはずだ。

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