なぜ、運転がワクワクする音になるのか? ヤマハ3輪EV“音づくりの秘密”に迫る:インタビュー劇場(不定期公演)(1/5 ページ)
ジャパンモビリティショーで、ヤマハの3輪EV「TRICERA proto(トライセラ プロト)」が登場した。3輪手動操舵(3WS)の特徴とは何か。エンジン音の開発に携わる担当者に話を聞き、音の奥深さに迫った。
「キュイイイイイン」――。ジャパンモビリティショー(10月31日〜11月9日)の会場を歩いていると、耳に残る“未来の音”があった。
音のする方へ向かうと、人だかりの中心に見慣れないシルエットが見える。4輪でもなく、2輪でもない、ちょっとユニークなクルマ。ヤマハ発動機の「TRICERA proto(トライセラ プロト)」だ。
このクルマの特徴は「3輪のEV」であること。オートまたは手動によって、前後のタイヤが左右に動くので、急なカーブでもスイスイ曲がるのだ。
この発表を受けて、ネット上では「手軽に乗れそうだから、街乗りにほしい。所有欲を満たせそう」「面白そうだな。市販化が楽しみ」といったコメントがあふれたわけだが、現時点で販売する予定はない。研究開発モデルなので、バッテリー性能や航続距離などは発表していないが、個人的に気になったのは「音」である。
一般的なエンジン車の音を「グオオオオオ」と表現するなら、トライセラ プロトは「キュイイイイイン」と、まるで未来の乗り物のような音を奏でる。なぜ、このような音が聞こえてくるのか。同社の広報担当者に聞くと「ドライバーの高揚感を高めるために、音にもこだわった」そうだが、どのようにしてつくったのか。
トライセラ プロトのエンジン音を担当した田中澄人さんと、プロジェクトを統括している宮本秀人さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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