クライアント訪問時、コートはどのように持つのが正しい? マナー講師が解説(2/2 ページ)
顧客先を訪問する際、コートはどのように持つのが正しいのか? 社会人が知っておくべきビジネスマナーを解説する。
――上座・下座はどう意識すればいいですか?
基本的に入口に近い席が下座です。自身が目下にあたる場合は、下座に進むようにしましょう。また、訪問者側の際も、相手の指示がなければ下座に進みます。「奥へどうぞ」と上座をすすめられた場合は、相手の指示に従って上座に座ってください。自分が来客を受ける側の際は、訪問者をしっかりエスコートして上座をすすめるようにすることが大切ですね。
また、車の座席にも上座、下座はあります。タクシーでは運転席の後ろが上座です。自社がホストで取引先を案内する場合は、相手にこの席をすすめます。一方、相手の車で移動する場合(オーナーカー)では、助手席が上座です。
――エレベーターの乗り方で意識すべき点は?
エレベーターは基本的に先に乗って操作パネルの前に立ち、ボタンを操作する「エスコート役」を務めるのがマナーです。乗る際には「失礼いたします」と一言添え、開けるボタンを押すとともに手でドアを押さえて安全に乗ってもらいましょう。降りる際は、開けるボタンと扉を手で押さえ、お客さまに先に降りてもらいます。
階段やエスカレーターでは「相手より低い位置」を心がけましょう。これは、目線が相手より高くならないようにするためと、安全面の配慮です。上りでは相手に先に進んでもらい、下りでは自分が先に降りましょう。下りで先に進む際は「お先に失礼いたします」と一言添えて先導すると丁寧です。
――来客対応時にありがちなミスはありますか?
来客を迎える際、案内が曖昧(あいまい)な人が多いように感じます。どこに案内するのか(行先)を明確に伝え、部屋に通した後も「こちらの席へどうぞ」ときちんと席をすすめましょう。指示がなければ、訪問者は下座に座る傾向があります。
また、訪問者側の際「出されたお茶や菓子をすすめられなくても食べ飲みしていいのか?」という質問をよく受けます。相手の指示に従うのがマナーではありますが、相手も忘れることはあります。相手の一言がなくても、担当者が飲み始めたタイミングで一緒に飲むなど、臨機応変に対応するとよいでしょう。基本的には出されたものは感謝していただくのが自然なふるまいです。
このような来客・訪問応対での立ち居振る舞いは、自社の印象を左右する大事な要素です。常に「相手の時間・手間を奪わない」「相手に心地よく過ごしてもらう」というマナーの本質を忘れずに行動することが、信頼構築の第一歩になるでしょう。
松原奈緒美
株式会社EXSIA代表取締役。マナー・コミュニケーション領域の専門家として、企業・学校、各種イベント、講演などで講師として活動。研修・講演の年間登壇本数150本、これまでの受講者延べ人数5万人(2024年現在)を超える。NPO法人 日本サービスマナー協会では、ゼネラルマネージャー講師として後進の育成を担当。また、Eラーニングや動画のマナー監修なども手掛け、国内外のテレビなどメディア取材や出演も多い。著書に「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」(新日本法規出版)がある。
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