「働きやすいが辞めたい」 Z世代の退職意向、「リモートあり」で根強い理由：コーナーが調査

[季原ゆう，ITmedia]

　ワークスタイルと残業時間は、若手社員の退職・継続意向にどのような影響を与えるのか。人事支援サービスを手掛けるコーナー（東京都渋谷区）が、調査を実施した。

ワークスタイル別 若手の退職意向（画像はイメージ、出典：写真AC）

Z世代の退職意向、「リモートあり」で顕著に

　ワークスタイル別に退職意向を見ると、月内にリモート勤務を少しでも行う「リモートあり」グループ（78.6％）は、出社中心の「リモートなし」グループ（65.5％）に比べて退職志向が13.1ポイント高かった。

ワークスタイル別の退職vs継続 意向の実態（出所：プレスリリース、以下同）

　特に「働きやすいがやりがいを感じない」と回答した割合が54.4％と突出する結果に。「リモートあり」グループでは、昇給・昇格スピードや配属の納得感などに対する不満も高く、働きやすさの裏で、キャリア実感の不足が退職意向を高めていることが推測された。

両立実感（やりがい・働きやすさ）

　残業時間別では、残業時間が長くなるほど退職志向が高まった。「残業10時間超」のグループは継続志向が大きく下がり、退職意向が約7割に達した。

残業時間別の退職vs継続 意向の実態

　「残業40〜59時間」のグループは、会社の社会的意義・ビジョンに対する不満が25.0％と、他グループの約2倍に上った。コーナーは「長時間労働が評価・将来展望とのギャップを生み、離職リスクを押し上げている」と分析する。

不満の実態

　転職時に叶えたい条件については、「給与」「働き方」を前提としつつ、「リモートあり」層では「成長・スキルの習得機会」や「チーム・組織への貢献」などやりがいに関わる要素を重視する傾向がみられた。

転職時に叶えたい条件

　コーナーは「働きやすさだけではZ世代の定着は難しい」と指摘。若手が自らの貢献や成長を実感できるよう、オンライン・オフラインを問わず、配属・評価・異動を設計していくことが重要だとしている。

　調査は8月29日〜9月4日、入社1〜3年目の正社員514人を対象に実施した。