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ホンダは電動化で何を狙うのか プレリュード復活とSuper-ONEで描く“ホンダらしさ”高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)

ホンダの新型プレリュードが好調だ。モーターの特性を生かしたスポーツ性能によって、中高年層に運転の楽しさを思い出してもらおうとしている。ホンダの電動車の魅力を伝えるためには、長年培った“ホンダらしい走り”を実現することが必要だろう。

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ホンダの新たな電動スポーツ戦略とは

 そして、ホンダのもう一つの電動スポーツ路線として注目したいのが、先日の「ジャパンモビリティショー2025」で初公開したコンパクトカー「Super-ONE(スーパーワン)プロトタイプ」である。

 これは「N-ONE e:」をベースに、前後のフェンダーにオーバーフェンダーを取り付け、ワイドなタイヤとエアロパーツによってパワフルな印象を与えるとともに、モーターの出力を高めて高性能化を果たしたモデルだ。


ジャパンモビリティショー2025で発表されたホンダのSuper-ONEプロトタイプ。N-ONE e:をベースにワイドボディで武装し、モーター出力を高めたホットハッチ。シティターボの再来という声もあるが、そこまでジャジャ馬ではなさそうだ(筆者撮影)

 いわゆるホットハッチの電動版をBEV(バッテリー式EV)で実現しているのである。軽規格のボディーをベースにすると、ハイブリッドでは車体が重くなる可能性も高く(バッテリーもある程度の容量を必要とするため)、BEVとして割り切った方が、パワフルでスポーティーな動きを実現できるのだろう。

 これもモーターによるダイレクト感を生かした走りを魅力として打ち出したモデルで、加速感の強さだけでなく、擬似エンジン音やシフトの再現、ドライバーのステアリング操作に対する応答性を高めた走りが魅力となりそうだ。しかもこれは単なるコンセプトモデルではなく、市販化を前提としているという。ホンダの意欲を感じさせるではないか。

 前後モーターのフルタイム4WDなどにすれば、さらに過激な走りを実現できるだろうが、バッテリーの積載重量の問題から航続距離に制約が出ることは間違いない。さらにバッテリー技術が進化して、現在のバッテリー重量で航続距離を2倍にできれば、コンパクトで高性能なEVスポーツが登場する可能性もあるだろう。

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