ホンダは電動化で何を狙うのか プレリュード復活とSuper-ONEで描く“ホンダらしさ”:高根英幸 「クルマのミライ」(3/5 ページ)
ホンダの新型プレリュードが好調だ。モーターの特性を生かしたスポーツ性能によって、中高年層に運転の楽しさを思い出してもらおうとしている。ホンダの電動車の魅力を伝えるためには、長年培った“ホンダらしい走り”を実現することが必要だろう。
独自のスポーツ性能で“ホンダらしい走り”を構築
ホンダはオートバイメーカーとして誕生し、軽自動車から四輪メーカーへと発展した企業だ。高度成長期に国が自動車産業を再編しようとしたため、四輪メーカーとしての存続が危ぶまれたときには、F1グランプリ(GP)に出場して抵抗したほどの反骨精神と、高い技術力を誇ってきた。
そうしてオートバイという趣味性と実用性の両方に長けたモビリティを発展させながら、クルマでも独自のスポーツ性能やアイデアに満ちたモビリティを提案してきた。
1990年代に再びF1GPに参戦したときには、エンジンメーカーとして君臨し、幾度も勝利。高性能なイメージを世界中のドライバーへ植え付けた。また、独創的なバルブ駆動技術により刺激的なドライブフィールを実現。独自の走りの世界観でファンを魅了するブランドになった。
プレリュードは、そうした高性能で刺激的なスポーツ性能を備えたキャラクターではなく、2ドアのスポーティーで優雅なイメージで、スマートに乗りこなすスペシャリティカーだった。デートカーと呼ばれるジャンルまで作り出した人気車種として、バブル期から2001年まで生産された。
24年ぶりの復活は、現代の若者向けではなく、若い頃にクルマの運転に夢中になった人たちに運転の楽しさを思い出してほしい、再びその楽しさを味わってほしいという狙いが込められていると感じる。
新型プレリュードの室内。コックピット感がある運転席は、ドライビングに集中できる環境だ。センターコンソールに設けられたS+モードのスイッチを入れれば、ジェントルなクーペからスポーティーな走りへと一変する(写真:ホンダ)
ようやくガソリン税の暫定税率が撤廃されるため、しばらくはドライバーの負担も和らぎ、クルマを楽しもうという追い風になるかもしれない。
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