インタビュー
パチンコ大手がなぜ銭湯!? マルハンが“90分待ち”の「脳汁銭湯」を企画した理由(2/2 ページ)
パチンコチェーンのマルハン東日本カンパニーは12月7日まで、東京・大田区の「女塚温泉 改正湯」を期間限定で改装し、「脳汁銭湯(のうじるせんとう)2025」を開催中だ。マルハンが老舗銭湯とコラボした理由を追った。
積極的に新規事業に取り組むマルハン
運営もマルハンの社員が行う。実は社内でも人気の企画で、参加者は抽選で決めた。特に若手に人気だといい、社員にとっても非日常の刺激になっているようだ。
「一番大切なのは、『やりたい、面白い、好きだ』で仲間が集まると、これだけの価値が見つけられるということ。私たちも実感しています」
マルハンは近年、新規事業にも力を入れる。買収によるゴルフ場や飲食店経営のほか、福祉事業にも進出。施設内限定の疑似通貨を使ってパチンコ・スロット、麻雀などが楽しめる「デイサービス ラスベガス」は、認知症予防にもつながるとしてメディアでも注目された。
このほかにも、バーベキュー場やサッカースクールなど、アルバイトを含めた従業員からの提案で新たな取り組みを進めているという。
「誰もが、脳が喜ぶ刺激と体験に出会い、明日からの日常をまた頑張ろうと思えるだけのエネルギーをチャージする場所を提供したい。マルハンへのイメージを少しでも変えてもらいながら、新しいファンをつくっていきたい」(仲さん)
パチンコには、ギャンブルや依存症など負のイメージもつきまとう。ネガティブ要素にも向き合いつつ、パチンコ店から総合エンターテインメント企業に向けた脱皮が始まっている。
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