厳しい競争と人口減に苦しんだ「ひらパー」が、なぜ再び100万人台を達成できたのか(3/4 ページ)
USJや人口減の影響で、来場者が落ち込んだ「ひらパー」。しかし近年は100万人台を維持している。自由度の高い企画力や地域に根ざした発信、定番イベントの育成など、独自戦略で支持を集め続ける理由を探った。
イルミネーションの「光の遊園地」も定番に
話題を生み出すだけでは、安定した集客にはつながらない。ひらかたパークが重視するのは、来園のきっかけをつくり続けることだ。
その1つが、2014年に本格化したイルミネーションイベント「光の遊園地」である。それまで小規模だったイベントを大型化し、遊園地の閑散期である冬の集客策として位置付けた。開始から11年たった今も継続しており、夕方からの来園客を獲得する定番コンテンツとなっている。
推し活イベントも定番化を目指す取り組みだ。2023年から試行し、SNSで話題になったことを受けて規模を拡大。フォトスポットを園内に設置するほか、叫び声の大きさを測れる急流すべりを「推しへの愛を叫ぶアトラクション」として稼働させた。
既存アトラクションの使い方を変えるだけで、新規投資なしに新たな顧客層の獲得を図っている。
イベント以外にも、遊園地の新たな活用法を提案している。家族の拠点として利用できるバーベキュー施設、チームビルディング研修向けのサバイバルゲーム、営業終了後の脱出ゲームなど、企業・団体客向けのプランも用意する。
収益面で存在感を増しているのが、貸切利用だ。休園日または閉園後に活用でき、園全体を貸し切る最安プランは600万円から。高校の文化祭で園全体を貸し切る事例もあり、その日は平日の倍以上の来園者が訪れた。
利用は年々増加しており、田中さんは「人が集まる場所、コミュニケーションの場として認知されてきた」と手応えを語る。
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