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おこめ券になぜ“モヤモヤ”するのか 職場の「利益誘導おじさん」とコンプラの関係スピン経済の歩き方(2/6 ページ)

鈴木農水大臣が打ち出した「おこめ券」政策が炎上している。なぜここまで“利益誘導感”を感じるのか、ビジネスパーソンが本件から学べることは……。

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「おこめ券」が炎上しているワケ

 ご存じのように、おこめ券は鈴木憲和農林水産大臣が就任時に米価高騰対策として打ち出した肝いり政策だが、批判が多く寄せられて「発行・郵送に経費や手間がかかる」「物価高騰対策にならない」と扱いを拒否する自治体まで現れるなど目下、大炎上中である。

 「国民のために働いて×5」で人気爆発中の高市政権の肝いり政策が、なぜこんなに評判が悪いのか。理由のひとつには、おこめ券をゴリ推しする鈴木大臣が「利益誘導おじさん」だと思われてしまっていることにある。


鈴木大臣は就任後すぐに「コメ増産の撤回」の撤回を発表(出典:ゲッティイメージズ)

 開成高校から東大、農林水産省の官僚というエリート街道を突き進んで政界に進出した鈴木大臣は「自民党農水族」として知られている。分かりやすく言えば、JA全農から選挙などの支援を受け、その利益につながる政策を実行する政治家のことだ。

 実際に2025年8月、石破茂政権が「コメ増産」の方針を打ち出した際、JA全農の折原敬一会長のお膝元・山形では、JA関係者や山形県知事、地元選出国会議員ら約600人の集会が行われ、「コメの適正な需要と供給を政府に要請しよう」と気を吐いた。これは要するに、石破政権が進めようとしている「減反政策からの転換」をみんなで潰そうということだ。そんな“反対集会”を盛り上げたのが、鈴木氏のこんな言葉だ。

大切な要請をいただきましたし、どれもその通りだというふうに思いますので、しっかりとこれを受け止めて前に進んでいきたい。

 この集会が「頑張ろう」の三唱で終わってから約2カ月後、石破政権は終焉(しゅうえん)を迎えて鈴木氏が農水大臣に就任した。そして真っ先に口にしたのが、「コメ増産の撤回」。鈴木氏はJA全農からみれば、自分たちの「大切な要請」を有言実行してくれた「政治家の鏡」のような存在なのだ。

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