おこめ券になぜ“モヤモヤ”するのか 職場の「利益誘導おじさん」とコンプラの関係:スピン経済の歩き方(3/6 ページ)
鈴木農水大臣が打ち出した「おこめ券」政策が炎上している。なぜここまで“利益誘導感”を感じるのか、ビジネスパーソンが本件から学べることは……。
「おこめ券」が醸し出す“利益誘導感”
ただ、残念ながら世間からは「利益誘導おじさん」だと思われてしまっている。まず、大きいのはJAからの借入だ。12月5日、農林水産省が公開した鈴木大臣の資産の中に、選挙区内にある「JA山形おきたま」からの借入金497万円が記載されていた。
鈴木大臣の事務所によると、「山形県南陽市の居宅購入に対するローン残高だ」という。ちなみに、鈴木大臣の政治団体「日本再耕会」の収支を見ると、「JA山形おきたま」の代表理事組合長からもちゃんと献金を受けている。
地元のJAバンクでマイホームのローンを組み、JAに選挙も応援してもらっている政治家が大臣になって「コメ増産の撤回」を言い出すだけでもモヤモヤする展開だが、ここまで炎上した背景には、おこめ券が醸し出す“利益誘導感”がある。
おこめ券は、JA全農と米卸業者などで構成される「全国米穀販売事業共済協同組合」が発行しているもので、額面の12%が印刷代や流通経費にあてられる。そのため、仮に5000円のおこめ券をもらっても4400円分のコメしか買えない。ネットやSNSでは、この「12%マージン」はJAの利権につながるのではないかと批判されている。
米高騰をバラマキによって補助したいのなら、それこそ今ちょうどマイナ保険証の普及を進めるマイナカードなどのデジタル技術を利用してもいいはずだ。世界中の国がそういうデジタル化でコスト削減や効率化を進める中で、わざわざ大量の紙を用意して、それを印刷して、梱包して国民全員に配って、その経費の一部がJA全農側に回る仕組みなので、「利益誘導」だと思われてしまうのも致し方ない部分がある。
もちろん、鈴木大臣からすれば、このような見られ方をするのは不本意だろう。農水大臣という立場の人間が、自分の支持団体や票田の既得権を守るため、国民の不利益になるような税金の無駄遣いをするわけがないではないか――。鈴木大臣はきっとそのように冷笑するはずだ。
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