おこめ券になぜ“モヤモヤ”するのか 職場の「利益誘導おじさん」とコンプラの関係:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
鈴木農水大臣が打ち出した「おこめ券」政策が炎上している。なぜここまで“利益誘導感”を感じるのか、ビジネスパーソンが本件から学べることは……。
「利益誘導」の疑いを晴らすには
ただ、国民にはその真意は十分に伝わらず、言い訳をすればするほど「怪しい」と疑われる。皆さんの職場にいるであろう「利益誘導おじさん」も全く同じではないか。
では、どうすればこのような疑いを晴らすことができるのか。1つのヒントになるのは、製薬業界と医療研究の世界では当たり前になっている「利益相反」(COI)の開示だ。
われわれは医師や研究者という「医療のプロ」の言うことは素直に信じる。ただ、医師や研究者も研究を進めたり、論文を書いたりするにはどうしても資金が必要になる。そこで彼らを金銭的に支援するのが、製薬会社だ。
しかし、製薬会社も慈善事業ではなく「自社の薬をたくさん売って利益を得る」という営利企業としての大事なミッションもある。そのため、研究費を支出している医師や研究者に、自社の薬に有利な結果を期待してしまう――。
こうした、いわゆる「製薬マネー」による臨床研究論文不正が大きな問題になったのは、今から十数年前だ。有名なところでは高血圧治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)を用いた医師主導臨床研究に製薬会社社員がかかわり、データの捏造(ねつぞう)や改ざんが発覚した「ディオバン事件」だ。
このような苦い経験から、製薬業界や学会が「癒着」を疑われないように進めてきたのが、「この研究はココからお金が出ています」「引用している論文の執筆者と自分の関係はこうです」などの「利益相反」をしっかりと開示することである。製薬会社と医師・研究者の関係の「透明性」を高めることによって、臨床研究や医師の情報発信などの信頼回復を目指したのだ。
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