「和×体験のアフタヌーンティー」おじさんが主役に? ヒットを生んだ“あんこ”と4つの体験(2/5 ページ)
品川プリンスホテルやウェスティンホテル大阪では、和食の「体験型アフタヌーンティー」を2025年から提供し、成果につなげているという。同プランでは通常より男性客が多く来店しているというが、何が彼らを魅了しているのか。
第1弾「あんこのフォンデュ」がヒット
直営で7つのレストランを運営する品川プリンスホテルでは、コロナ禍明けの2023年から洋食だけでなく、和食や中華でもアフタヌーンティーを始めた。季節ごとにメニューを変え、時に外部とのコラボも実施して、一定の人気を得ているという。
そうした流れのなか、2025年1〜2月に和食レストラン「味街道 五十三次」で、体験型アフタヌーンティーを初めて提供したところ、過去最大の反響となった。全74日間で販売数が1200食以上なので、1日換算で約16食となる。ラウンジで提供する洋食のアフタヌーンティーと比べれば少ないが、和食レストランでは想定以上だった。
同企画は、日本あんこ協会(あんこの普及を目的とした団体)に監修を依頼し、さまざまな食材とあんことの相性を感じてもらえるようフォンデュスタイルで提供した。温かい「つぶあん」と冷たい「皮むきあん」の2種類を用意して、フォンデュ用の食材にはイチゴや団子を添えた。
「近年は、お客さま自身で仕上げを行うスイーツをSNSでよく見かけます。そうした流行をヒントにあんこのフォンデュに目を付けました。ダメ元で日本あんこ協会さんに打診したところ快諾いただき、あんこの魅力を堪能できる内容に仕上がりました」(土田氏)
味街道 五十三次は落ち着いた和食レストランで、主な顧客層は40〜60代となる。アフタヌーンティーにおいても40代以上が中心で、普段は女性がほとんどだが、体験型アフタヌーンティーでは男性の姿も多く見られたという。
「全体では女性のほうが多いのですが、想定以上にご夫婦での来店があり、お話を聞くと『夫があんこが好きだから』とのこと。男性1〜2人で来店される方もいて、アフタヌーンティーでも男性がターゲットになり得るのだと発見がありました。男性に最もささったポイントは、『あんこを主役に据えたこと』だと考えています。加えて、体験型も他店との差別化になったのかもしれません」(土田氏)
同プランでは、1日1組限定の「こたつ席」も用意した。こちらも好調で早々に売り切れたそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
レストランの「1名予約」が5年で9.2倍 “おひとりさま”アフタヌーンティーが人気のワケ
女性向けWebメディア「OZmall(オズモール)」は、1名でのレストラン予約の利用者数が2019年から2024年にかけて9.2倍に伸長したと発表した。コロナ禍で始めた全員1人参加のイベント「おひとりさま貸切DAY」は今も好調で、特にアフタヌーンティーやランチでの利用が多い。なぜ、“おひとりさま”でのレストラン利用がこれほど拡大しているのか。
令和のクレープは“パリパリ”が主流? 第3次ブームを専門店に聞いた
「第3次クレープブーム」が到来し、2024年頃からクレープ専門店が続々と開業している。クレープ専門店に反響と展望を聞いた。
“ヌン活”ブームはどこまで続く? 単価6000円でも予約殺到の理由
2022年に流行語大賞にノミネートされた「ヌン活」。以前よりも各社のアフタヌーンティープランは充実し、予約が取りづらくなっているようだ。単価6000円以上と高額にもかかわらず、なぜブームが長く続いているのか。
なぜコナズ珈琲は3時間待ちでも人気なのか? “店づくり”の秘密に迫る
「いちばん近いハワイ」をコンセプトに掲げるハワイアン カフェ・レストラン「コナズ珈琲」の快進撃が続いている。全国に45店舗を構え、どの店も待ち時間が出る人気ぶり。好調の理由は……。


