「和×体験のアフタヌーンティー」おじさんが主役に? ヒットを生んだ“あんこ”と4つの体験(4/5 ページ)
品川プリンスホテルやウェスティンホテル大阪では、和食の「体験型アフタヌーンティー」を2025年から提供し、成果につなげているという。同プランでは通常より男性客が多く来店しているというが、何が彼らを魅了しているのか。
ウェスティンは4つの体験を提供
ウェスティンホテル大阪では、新たな施策として和食レストラン「はなの」で提供した体験型アフタヌーンティーがヒット企画になった。
まず、2025年5月3日の1日限定で「茶道体験付きの和フタヌーンティー」として発売したところ、すぐに予約が埋まった。追加で設けた2日間も完売し、1日平均で20人が利用したという。
この反響から、はなのでの体験型アフタヌーンティーは定番企画になった。7〜8月に販売したプラン(7500円、お土産付き8000円)は、体験を4つに増やして日本文化の魅力を五感で味わう内容とした。
一番出汁を味わう「出汁体験」、料理長が目の前で葛切りを仕上げる「職人の技体験」、抹茶を点てる「茶の湯体験」、和菓子で枯山水を完成させる「庭づくり体験」の4つとなる。
第2弾も想定以上の売れ行きで、15日間の追加日程を用意。合計67日間にわたって提供した。体験は全般的に好評だったが、特に「庭づくり」は楽しいと喜ばれたという。
続いて、第3弾(7500円、同8000円)を9〜11月(合計76日間)に販売。体験内容は大きく変わらないが、職人の技体験では繊細なデザインの「きんとんモンブラン」の実演を盛り込んだ。こちらも好調に推移し、利用者数は第2弾の1.5倍になった。
「料理長と会話しながら料理の様子を眺められるライブ感や、ご自身の手で仕上げる抹茶や庭づくりなど、一般的なアフタヌーンティーにはない魅力が好評の要因なのかなと思います。価格は同店のランチと同等であり、ランチに代わる選択肢として選ばれやすかったこともあるかもしれません」(近藤氏)
顧客層を尋ねると、40代以上の女性がメインではあるが、同ホテルでも夫婦での来店が想定以上に多かったという。その理由として、近藤氏は「男性も来店しやすい落ち着いた雰囲気」を挙げた。さらに、アフタヌーンティーながら食事メニューの割合が多く、ボリュームも十分にあるため、食事として利用しやすかったのかもしれない。
現在は、クリスマス向けのプラン(7500円、同8000円)を12月25日まで提供中だ。こちらも体験内容はそれほど変わらないが、職人の技体験は「どら焼きブッシュ・ド・ノエルの実演」としている。ウェスティンホテル大阪では、体験型を含めアフタヌーンティーに引き続き注力する方針だという。
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