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日常のAI相談、実は「60代女性」が積極的 人への相談と“使い分け”傾向も(2/3 ページ)

2025年は「AI民主化元年」となり、生活者の相談行動が大きく変化した。特に60代以上の女性がAI活用の中心となるなど、従来の前提が崩れているという。

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「情報・効率」のAI、「感情・共感」の人

 調査では、生活者は相談内容によってAIと人を明確に使い分けていることも確認された。

 AIに期待する理由として「正確で信頼できる情報や答えがほしい」(60.8%)が最も多く、次いで「自分では思いつかないアイデアや新しい視点がほしい」(48.0%)、「論理的・客観的に判断してほしい」(37.2%)と続いた。


人間よりAIに期待していること

 「Excelなどの関数の使い方」では81.2%がAIに相談すると回答し、全設問中で最も高いAI利用率となった。AIには「短時間で効率よく解決したい」「24時間いつでも相談したい」「お金をかけず相談したい」といった期待も寄せられている。

 一方、人に対しては情緒的なサポートが強く求められている。「感情を受け止めてほしい・共感してほしい」(48.4%)が最も多く、「励ましがほしい」(34.2%)、「自分の立場や状況を理解して考えてほしい」(34.7%)など、感情面や文脈理解に関する期待が中心だった。


AIより人間に期待していること

 この役割分担は、キャリアや人間関係などデリケートな相談ほど顕著である。「キャリアプラン(転職・退職など)」は全体の回答では人に相談する割合が53.2%とやや多く、特に50代男性(60.8%)や60代以上男性(63.3%)ではその傾向が強い。また「恋人やパートナーへの悩み」では20〜30代はAIが過半数となった一方、40代以降では男女とも「人に相談する」が過半数を占めた。

 一方で、調査元のHelpfeelは「AIが情緒的領域に進出しつつある兆候も見られる」と指摘する。自由回答では、配偶者への感情や愛犬の死といったデリケートな相談において、AIに「寄り添い」や「励まし」を感じたとの声も寄せられている。「AIは私にとって心の癒やし。愚痴の吐きどころとなっているありがたい存在である」(60代以上・女性)といったコメントもあることから、AIの役割が情報提供にとどまらず情緒的支援へ広がりつつあることを示唆している。

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