サントリーの26歳エース営業 成果ほぼゼロの3カ月を乗り越え、確立した「9:1」の営業スタイル:教えて!あの企業の20代エース社員(3/3 ページ)
酒類営業としてキャリアをスタートさせた、サントリーの26歳エース社員。2年目から高い目標を追いかけてきたが、最初は成果ほぼゼロで耐えの3カ月を過ごした。逆転を支えた営業術を取材した。
視座の高い経営者と対峙し、サントリーの総力戦で挑む
地道な信頼関係の構築で成果を出した水田さんだが、現在は異なるチャレンジをしている。3年間の酒類業務用営業の経験を経て、自ら希望して大阪の「市場開発本部」に異動した。全国規模の大手飲食チェーンを担当する営業部署だ。
「全国のサントリーのメンバーと連携し、よりスケールの大きな仕事に挑戦したいという思いがありました。全国チェーンで1つの商品が採用されると非常に大きなインパクトがあります」
市場開発本部の仕事はその名の通り、新たな市場の開発だ。担当企業への種類提案はもちろん、経営課題に踏み込み、サントリーのリソースを総動員したソリューション提案も行う。
「ドリンクの提案だけでなく、店舗のDX化やAIを活用した受発注システムの導入など、業務効率化の支援も行っています。対峙するのは数百店舗を経営する企業のトップ層の方々。知識量や視座も非常に高い方々に響く提案を常に考え続けることはいまだに苦労の連続です。社内のあらゆるリソースを把握し、顧客の価値創造につながる仮説を考え部署内で検討していく。常にPDCAを回すことを意識しています」
最後に、あらためて営業の仕事の魅力について聞いた。「営業の魅力は、ビジネスの最前線である人と向き合えることです。サントリーを代表してお客さまと信頼関係を築いていくことに面白さを感じます。今後は、市場トレンドや企業の潜在的な課題の未来を予測し、仮説を立てていけるようになりたいです」
かつて営業目標に不安を抱えていた水田さんは、今や堂々たる「サントリーの顔」だ。「断られることを恐れず、一歩踏み込む」自らの行動で現状を打破してきた彼なら、舞台が広がっても、変わらぬ熱量で新たな挑戦を続けていくに違いない。
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