【今すぐ使えるプロンプト紹介】「コスト削減案」を爆速で作る方法とは 財務経理の生成AI活用（1/3 ページ）

正確性が求められる財務・経理部門でも、生成AIを活用できる領域や活用の余地は大いにあります。財務・経理部門の現場の作業負担を劇的に削減するための「プロンプト」を紹介します。

[宮崎学，ITmedia]

この記事は、『面倒な仕事が一瞬で片付く　生成AIタスク爆速大全』（宮崎学著、かんき出版）に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです（無断転載禁止）。

　正確性が求められる財務・経理部門でも、生成AIを活用できる領域や活用の余地は大いにあります。

　電通勤務や海外でのベンチャーキャピタリストなどを経て現在はDXコンサルティング事業を展開する宮崎学氏に、財務・経理部門の現場の作業負担を劇的に削減するための生成AIの活用法について解説してもらいます。

出所：ゲッティイメージズ

生成AIで爆速化できる、財務経理のしごと「5選」

　企業活動の根幹を支える財務・経理部門は、正確性とタイムリーなデータ処理が求められます。生成AIの今の技術では、集計のような作業はミスが起きる可能性もあり、強くおすすめはしにくい状況ではあります。

　しかしながら、集計以外の業務においても、生成AIを活用できる領域や活用の余地はあります。本稿では、財務・経理部門の現場の作業負担を劇的に削減し、より戦略的な財務運営や経営判断にリソースを振り分けることが可能となるよう、実践的なプロンプト事例を紹介します。

　企業の財務経理部門が担う主な業務と、生成AIが役立つ領域のアイデアについて、下記の通りまとめました。

経理作業／税務対応

• 銀行やクレジットカードの明細データから勘定科目を分類してくれる
• 税法改正情報の要点抽出と会計時の影響について要約してくれる
• 仕訳データから税務調整項目の候補を自動抽出してくれる

入金確認・取引の監視

• 請求書一覧と入金明細からきちんと入金されているか確認してくれる
• 過去データから異常値や不正リスクの高い取引を検出してくれる
• 未入金や検出した異常取引についての対応方法についてアイデアを提示してくれる

財務指標の自動計算

• 決算データをもとにROI、ROE、流動比率などの主要財務指標を算出してくれる
• 部門別・プロダクト別のコスト配賦や収益性分析を実行してくれる
• 指標の推移から読み取れる示唆について提示をしてくれる

予実管理／資金計画

• 過去予算データから今期の予算計画の素案を作成してくれる
• 予算と実績の乖離（かいり）要因について要因分析をしてレポートを作成してくれる
• 過去の入出金実績と売り上げの見込みを組み合わせ、月次・週次のキャッシュフロー予測をシミュレートしてくれる
• 複数シナリオに基づく資金計画の提案や資金調達のための説明資料を作成してくれる

投資家／株主対応

• IR資料・決算説明資料のドラフト作成を支援してくれる
• 投資家向けプレゼンテーションの構成案やストーリーラインを提案してくれる
• 投資家からの想定質問と想定質問への回答案を用意してくれる

　ここからは一例として「コスト削減策の提示」について、具体的なプロンプトを紹介します。