牛丼チェーンが始めた「ラーメン代理戦争」 なぜ“廃業だらけの世界”に飛び込むのか:スピン経済の歩き方(3/6 ページ)
松屋や吉野家など、なぜ牛丼チェーンはここ数年、こぞって「ラーメンシフト」を進めているのか。その理由は……。
「生娘シャブ漬け戦略」とは
覚えている方もいらっしゃるだろうが2022年4月、吉野家のマーケティング担当役員が早稲田大学で行った講演中に、「田舎から出てきた若い女性が、男性におごられて高級な料理の味を知る前に牛丼のファンにする」などと説明した。この表現に対し、「不適切だ」と批判が殺到し、吉野家は謝罪して役員は辞任に追い込まれた。
この表現について、擁護できる点はないが、言いたいことがよく分かると当時この連載でも解説させていただいた。当時、吉野家の客は8割が男性で、すき家などに比べて男性比率が高いことが悩みだった。
- 「生娘をシャブ漬け戦略」で大炎上! なぜ吉野家の役員は“暴言”を吐いたのか(ITmedia ビジネスオンライン 2022年04月19日)
そこでこのマーケ担当役員としては「クッキング&コンフォート」(以下、CC店)と呼ばれる、女性の入りやすい外観・内装の店舗を増やす戦略を進めた。それが先ほどの「生娘シャブ漬け戦略」だった。
炎上はしたものの、戦略自体は間違っておらず、この店舗の拡大もあって吉野家では女性比率がじわじわと増えた。2024年の吉野家ホールディングス統合報告書では、河村泰貴代表取締役社長がこうおっしゃっている。
「入りやすいC&C店舗への転換によって、女性顧客比率は現在28%まで上昇しており、吉野家が目指してきた30%まであと一歩となりました」(出典:吉野家HD INTEGRATED REPORT 2024より)
では、なぜここまで頑張って女性客を増やすのかというと、ダイバーシティの観点から……ではなくて事業継続のためだ。男性客に偏っている牛丼のような業態は、これからの10年でガクンと客数が減っていくことが目に見えているからだ。
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