「子どもの送迎」があると言っていたのに残業を指示されました。これってハラスメントに当たりますか?(3/3 ページ)
職場で起こりがちなトラブルを基に、ハラスメント問題に詳しい佐藤みのり弁護士が詳しく解説します。
パワハラに相当するケース
パワハラとは、「職場において行われる、(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)の全ての要素を満たすもの」とされています。
(1)でいう「優越的な関係」とは「抵抗や拒絶することができない可能性が高い関係」とされています。
「優越的な関係」か否かは、実質的に判断すべきものです。実質的に「逆らいにくい」関係性がある場合には、特に相手の気持ちを想像しながら接することが大切です。育児中の従業員と残業について相談するときは、対象の従業員の意思を十分に尊重するようにしましょう。
そして(2)業務上の必要性や相当性については、問題となった言動の目的、経緯、状況、態様、頻度、継続性、言われた側の従業員の属性や心身の状況、行為者の関係性などを総合的に考慮して判断されます。
「殴る、叩く、蹴る、物を投げつける」といった身体的な攻撃や「人格否定」を伴うような暴言による「精神的な攻撃」があれば、直ちに違法性が認められる可能性が高いです。相談の際、行き過ぎた言動がないよう気を付けましょう。
佐藤みのり 弁護士
慶應義塾大学法学部政治学科卒業(首席)、同大学院法務研究科修了後、2012年司法試験に合格。複数法律事務所で実務経験を積んだ後、2015年佐藤みのり法律事務所を開設。ハラスメント問題、コンプライアンス問題、子どもの人権問題などに積極的に取り組み、弁護士として活動する傍ら、大学や大学院で教鞭をとり(慶應義塾大学大学院法務研究科助教、デジタルハリウッド大学非常勤講師)、ニュース番組の取材協力や法律コラム・本の執筆など、幅広く活動。ハラスメントや内部通報制度など、企業向け講演会、研修会の講師も務める。
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