【26年1月から】下請法の改正目前 主な変更点5つと、企業が今すぐできる準備2つ 社労士が解説(3/3 ページ)
改正下請法が2026年1月1日に施行され、規制内容の追加や規制対象が拡大されます。今回の改正で特に重要なのが「従業員数」の扱いです。一言に従業員数といっても、どこまで含めるのか、どの時点で算出するのか、どうやって確認するのかなど、困る担当者も多いと思います。改正を目前に控えた今、企業がとるべき対策について解説します。
フリーランス新法との違いは?
2024年にはフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行されました。下請法とは、何が異なるのでしょうか?
下請法は発注元の事業者が下請事業者に対して行う不適切な取引行為を規制するものであり、主に立場の弱い受注者の保護を目的としています。フリーランス新法は、取引の適正化に加えてフリーランスの就業環境まで規定しています。募集情報の的確な表示やハラスメント対策など、労働者としての権利保護の側面にも重点を置いている点が異なります。
またフリーランス新法は1カ月以上の継続的な業務委託が対象ですが、下請法は単発の取引も対象となります。なお、個人事業主も取引の内容によっては、下請法で保護される対象となります。
改正に備えて企業側が準備すべきこと
改正を目前に控えた今、まずは適用範囲を把握するため、自社と取引先の従業員数を確認する必要があります。下請法の適用基準に従業員数が加わったことにより、下請法の対象となる取引は拡大すると思われます。これは発注側も下請企業側も双方に必要です。
ただし従業員数は頻繁に変更が生じるもので、外部から確認するのが難しいです。基本契約書に従業員数に関する報告義務を追記する、見積書に従業員数に関するチェックボックスを追記するなどの対応が必要でしょう。また、契約書で使われている「親事業者」「下請事業者」などの呼称を新法に合わせて「委託事業者」「受託事業者」に変更します。
次に、契約や支払条件の見直しが必要です。価格決定時に下請事業者の求めに応じ、協議に応じる体制と記録を残す仕組みを作ります。手形払いをしている企業は少ないとは思われますが、手形払いから 振込や電子決済などの方法へ変更します。検収日(受領日)から60日以内に支払を完了させなければなりません。
著者プロフィール
佐藤敦規(さとう あつのり)
社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
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