「一番搾り 糖質ゼロ」5年で8億本 なぜ“主力ブランド”で勝負したのか、担当者に聞いた(4/5 ページ)
「一番搾り 糖質ゼロ」が発売から5年で累計8億本を突破した。糖質ゼロという難題に、なぜキリンは主力ブランドで挑んだのか。開発の経緯や狙いを、担当者の言葉から読み解く。
毎年リニューアルで味を進化
キリンは2022年以降、毎年リニューアルを重ね、糖質ゼロビールの味に対するネガティブなイメージの払拭に取り組んでいる。2023年に刷新したCMでは、「おいしく進化している」ことを訴求し、これまで機能系ビールを飲んでいなかった層の獲得につなげた。
2025年6月のリニューアルで、「ダブルデコクション製法」を新たに採用した。麦汁を2回煮沸させることで麦のコク味成分を引き出し、飲みごたえが向上した。
新CMを開始した8月26日からの2週間で、販売数量は前年比110%となった。購入者からは「ビールらしい味わい」や「華やかさが増した」といった声も聞かれ、糖質ゼロでありながら味への評価が購入の後押しになっていることがうかがえる。
また、キリンは一番搾り 糖質ゼロのほかに、糖質オフの「淡麗グリーンラベル」(セブン-イレブンで350ミリリットル、203円)と糖質・プリン体ゼロをうたう「淡麗プラチナダブル」(同203円)を展開しており、特に淡麗プラチナダブルは2014年の発売以降、10年連続で売り上げを更新している。
キリンは多層的な商品ラインアップで、細分化するニーズに対応している。健康や価格を重視する層には「淡麗」、健康に加えて品質も重視する層には「一番搾り 糖質ゼロ」を提案するなど、機能系ビールを軸に選択肢を広げてきた。あわせて同社は、機能系ビールを「ビール離れ」を食い止めるための入口とも位置付けている。
糖質ゼロビールや「淡麗グリーンラベル」は、飲みやすい味わいを意識した設計とし、ビールが苦手な層でも手に取りやすくした。柴田さんは「初めて飲むビールとして選んでもらい、そこから他の商品にも広がっていく導線を作りたい」と話す。
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