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サントリーウイスキーの味はどこで決まる? 極秘「ブレンダー室」に潜入した(4/5 ページ)

世界的に評価されるサントリーのウイスキー。その味はどこで決まるのか。通常は立ち入れない「ブレンダー室」を取材し、原酒不足という課題の中で、20年先の品質を見据えながら味を守り続けるブレンダーの仕事と現場に迫った。

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1万樽が17年で200樽に

 樽の中で熟成するウイスキーは、時間の経過とともに量が減り、色が濃くなっていく。年間で約2%が蒸発し、20年たつと約40%が蒸発してしまう。「最初に1万樽あるとすると、17年目には200樽程度にまで減ってしまう」(輿石氏)

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ウイスキーは貯蔵時間の経過とともに色が変化し量も減る

 ブレンダーが最も重要な判断を迫られるのが、製品として使うかどうかを判断する6年目だ。すぐに使用する原酒と、将来に向けて残す原酒を決める必要がある。判断基準は数量だけではない。品質がさらに良くなるかどうかを見極めなければならず、6年目の段階で、20年後、25年後の品質を予測する。

 同社ではブレンダーが約10人在籍しており、輿石氏は「ブレンダーはチームで活動することが大事。チームでテイスティングして議論することが、品質の見極めや向上につながる」と説明する。

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山崎蒸溜所ができた1924年の熟成樽の展示も

 ブレンダーの仕事は、長期熟成する原酒の管理・評価だけではない。定番製品の安定供給と品質維持も重要な役割だ。熟成する原酒には必ずばらつきが生じ、貯蔵庫の場所によっても品質は異なる。このばらつきを放置すれば品質が落ち、ブランド価値の毀損につながる。

 そのため、年間で数十回の配合見直しを行い、原酒のばらつきに合わせて配合を調整することで、品質を維持している。

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年間で数十回の配合見直しを実施

 チェックの方法も使い分けており、高酒齢やスパニッシュオークなど、特別な素材の樽は数年おきに確認し、一方で6〜8年程度のスタンダードな原酒は、ロットごとに代表樽を確認している。

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