銘柄が選べない「酒ガチャ」が、なぜ若年層を引きつけるのか 飲んだあとの無償交換にも対応(2/4 ページ)
500種類以上のクラフト酒からランダムでお酒が届くサービス「酒ガチャ」。その開封動画や“当たり報告”がSNSでバズっている。中身が分からないにもかかわらず、なぜここまで人気なのか?
ゲーム感覚を取り入れ「共有欲」を生む
酒ガチャの特徴の一つが「会話のネタになる」点だ。その背景には「ピスタチオのお酒」「夜9時のチョコミント」といった、ひと目でユニークさが伝わる商品名と、思わず写真を撮りたくなるラベルを備えた“変わり種のお酒”をあえて選び抜いている点がある。
さらに、思わず誰かに伝えたくなる演出として、1本10万円相当のレアで豪華な「当たり」商品を用意している。
「メイン顧客層である20〜30代は、ソーシャルゲームに慣れ親しんでいる世代です。レアを引いたときのうれしさや興奮を、お酒でも体験できたらおもしろいと思いました」(河端氏)
その狙い通り、SNS上ではレア度やラベル、味といった要素を軸に、顧客起点の新たなコミュニケーションが生まれているという。その効果もあり、クランドの顧客層は、20代が約5割を占め、30代を含めると8割以上となる。これは、従来の酒類購入者の中心だった40代以降とは明確に異なる層であり、クランドが新たな市場を切り開きつつあることを示している。
2019年にスタートした酒ガチャは、2020年のコロナ禍に、自宅で過ごす時間が増えた消費者から支持を集めた。現在では、クランドの売り上げの約4割を占めるメインコンテンツへと成長している。
リピーター比率は4割強に達し、中には年間30〜50回も酒ガチャを回すユーザーもいるそうだ。
「SNSで酒ガチャを知り、購入する人がほとんどです。不定期でポップアップを開催しており、そこで何度か目にした方がECで購入してくれるケースも多いですね」(河端氏)
実際、2023年7月にJR新宿駅の施設内で実施したポップアップでは、3週間で5000回以上、ガチャが回された。中でも人気を集めた「ミニボトル酒ガチャ」は、開始から1週間で完売。在庫補充が追いつかず、臨時で駅構内の倉庫を借りるほどの盛況ぶりだったという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
ドンキ「152円ビール」じわり人気 “地味過ぎる”見た目になった深いワケ
ドンキのPBビール「ド」シリーズがじわじわ売れている。モノクロのシンプルなデザインと1本152円の低価格で、若年層やライトユーザーを中心に支持を広げているようだ。
なぜ、道玄坂のコンビニで火がついたのか 「お茶割り」が都市の一角で、若者に広がった背景
宝酒造の「お茶割り」が都市部のコンビニで売り上げが伸びている。年配向けと思われがちな商品なのに、なぜ若者に支持されているのか。販売データと現場取材から、その意外な広がり方と背景を探った。

